| その名は「TT RS 40 years of quattro」 |
さて、アウディにとって「TT」は一つのデザイン的資産ではありますが、2ドアクーペ、そしてロードスターの市場縮小によって次期モデルはおそらく「ナシ(諸説ある)」。
それでも2018年にはTT発売20周年記念モデルを発売するなど、アウディがTTを重視していることは間違いなく、そしてアウディ社内においても「なんとかTTを存続させたい派」が少なからず存在すると言われます。
今回はクワトロ誕生40周年記念限定モデル
そしてアウディは今回「クワトロ誕生40周年」記念モデルとしてTT RS 40 years of quattroを発表していますが、その内容が実にスパルタン。
生産台数はわずか40台に絞られ、ボディカラーはすべてアルピンホワイト、そしてグレーとレッドのストライプがセンターとフロント/リヤフェンダーに入ります。
なお、このカラーは1987年にワルター・ロールのドライブにてパイクスピーク・ヒルクライム・インターナショナル・レースでの勝利を飾ったアウディ・スポーツクワトロS1(下の画像)のカラーリングをリバイバルしたもの。
内外装には多数のカスタムパーツ
そしてこのアウディTTRS 40イヤーズ・オブ・クワトロには多数のパーツが装着されていますが、まず視覚的に目を奪われるのはその過激なエアロパーツ。
フロントだとエプロン、スプリッター、カナードが装着され、フードにはダクトも追加されています。
これらパーツの一部については、かつてアウディスポーツが(フェイスリフト/マイナーチェンジ前の)TTに設定していたパフォーマンスパーツをベースにしているようですね。
ただ、サイドには(パフォーマンスパーツに用意されていた)ウイングレットつきのエアロパーツが装着されず、純正サイドステップをブラックへと変更。
これは当時(まだコース全部が舗装されていなかった)パイクスピークを走る車両がラリーカーっぽかったことを考慮したためなのかもしれません。
リアには大きなディフューザー、バンパー両サイドには整流板、そしてリアウイングが装着されていますが、こちらもアウディスポーツ製パーツを現行TTRS用にアレンジしたデザインを持つように思われます。
なお、ボディサイドには大きな「Quattro」レター入り。
ホイールも当時のクワトロスポーツS1をイメージした「ホワイト」が採用され、これはアウディではかなり珍しい仕様だと思います。
ブレーキキャリパーはレッドペイント仕様ですね。
リヤサイドウインドウには「40 jahre 」の文字とパイクスピーク・ヒルクライム・インターナショナルを連想させるグラフィック。
アウディTTRS 40イヤーズ・オブ・クワトロの内装はこうなっている
こちらはアウディTTRS 40イヤーズ・オブ・クワトロのインテリア。
その多くをブラックアルカンターラにて覆われ、RSスポーツステアリングの12時位置にはセンターマークが入ります。
シートやアームレストにはコントラストステッチが入り、シートバックには「40 jahre quattro」の刺繍、そしてハニカムステッチ。
センターコンソールのパネル、シフトノブも特別製となり、パネルはボディカラー同様にアルピンホワイトにグレーとレッドのストライプ、そしてシフトレバーのトップにはレッドのリングと専用ロゴが用いられています。
そしてもっともスパルタンな装備がこのカーボン製ストラットクロスブレース。
これはリアシートに代わって装着されるもので、16キロの軽量化が達成できるうえ、当然ながら車体強度を大きく向上させる、とのこと。
このパーツについても、アウディスポーツ製のパフォーマンスパーツとして用意されていたもので、TTクラブスポーツ・ターボコンセプトにも装着されていたものと同一だと思われます。
エンジンについては手が入らずそのまま(2.5リッターターボ/400PS)、駆動方式はもちろんクワトロ(4WD)、トランスミッションは7速Sトロニック(デュアルクラッチ)。
パフォーマンスについては、”標準の”TTRSと同じだとすると0-100km/h加速は3.7秒、最高速は280km/h。
なお、これだけの変更を加えられているだけあって価格は安くなく、欧州での価格は114,040ユーロ(砲火換算で約1400万円)。
現地ではアウディRS6とほぼ同じ価格、そしてR8の後輪駆動モデル(RWS)に比較してもわずか300万円安いだけにとどまると報じられており、しかしこの仕様の特別さ、そして今後TTが消滅する可能性を鑑みるに、「高くはない買い物」だと思われます。