| BMW M4 DTMがV8から4気筒ターボにスイッチ。その理由は? |
BMWがDTMに参戦させる「M4 DTM」に2リッター4気筒ターボを積んでテスト中。
これはDTM(Deutsche Tourenwagen Masters)がこれまで搭載可能だったV8エンジンの使用を禁止する方向に動いたことへの対応措置。
DTMは、より市販車との共通性を持たせたい意向を持っており、これはモータースポーツで培われた技術を市販車へとフィードバックすることで自動車産業への貢献を狙っているものと思われますが、参戦する自動車メーカーにとっても「市販モデルとの共通性」をもたせることができればプロモーションも有利に働く可能性も。
「レーシングカーに4気筒」はBMW」の伝統の一つ
なお、現在市販モデルのBMW M4は「直6エンジン」搭載ですが、M4のルーツである「E30 M3(1985-1990)」は4気筒エンジンを搭載。
そして1970年代にツーリングカー選手権で猛威をふるった「BMW2002Turbo(1973)」もその名の通りターボエンジン、しかも2リッター4気筒のターボエンジンを搭載しています。
ちなみにBMWそのものの起源は航空機用エンジンを作る会社で(そのため社名はエンジン製造会社を意味する”Bayerische Motoren Werke”、エンブレムも空と雲とプロペラを表現)、そこで培ったターボ技術を反映させたものが2002ターボに積まれるエンジン。
よってこの「2リッター4気筒ターボ」はBMWのターボエンジンの元祖とも言えるわけですが、2018年になって(実戦投入は2019年)2リッター4気筒ターボがDTMに投入されるというのはなかなかに興味深い現象でもあります。
なお、BMWもそのルーツを明らかにするためか、今回のシェイクダウンにおいてプロトタイプのボディサイドに「50 Years of BMW Turbo Power Bring on 2019」と記載。
2019から50年を逆算すると「1969年」になり、これはおそらく2002ターボ(通称マルニ)のさらに祖先とも言えるレーシングカー、2002TIK(”K”は過給器つまりコンプレッサーを表す)を指していると思われ、ここからBMWのターボの歴史が始まった、とBMWがアピールしていることになります(市販車としてのターボエンジン搭載はやはり1973年の2002Turboまで待たねばならない)。
ちなみにBMWはターボに対して昔から並々ならぬ興味を示しており、その歴史の中には「BMWターボ」なるコンセプトカーも存在していますね。
今回のテストにおいては相当に感触が良かったようで、テストしたドライバーは「2019年にこのクルマで戦うのが待ちきれない」とコメントしていると報じられており、2019年型のBMW M4 DTMは相当に戦闘力が高い、と言えそう。
なお、「レーシングカーと市販車とのリンク」ということになると市販モデルのM4にも4気筒エンジンが積まれるのでは?と考えたりもしますが、直4ターボ同様、直6もBMWのひとつのブランドにおけるコアなので、そう簡単に4気筒へとスイッチすることはないのかもしれません。
もしくは、M2をM3/M4と差別化するため、こちらに4気筒ターボを搭載するのはアリかもしれない、とは思います。
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