| おそらく「全部変更すると、お金がかかりすぎる」という判断 |
先日、BMWが新しいロゴを発表しましたが、これは「シンプルで2D」へと変更されたもの。
そして今回、BMWはそのロゴの意味、使用方法についてステートメントを出していて、これによると新ロゴは「新しいブランドアイデンティティ」を表すものであり、デジタル時代に対応したもの。
要は新時代に向けたメッセージを発信し、スマートフォンやタブレット等でも見やすい表示に改めた、ということになりますね。
新しいBMWのロゴにはこんな意味がある
そしてBMWによると、新しいロゴにはこんな意味が含まれるとしており、主な意図は「オープン」というところにあるようです。
・すべての活動の中心は顧客のためである ・オープンさ、明確さを表している ・BMWの世界への入りやすさも表現 ・自動車中心から、テクノロジーとコネクティビティへの移行を表す |
なお、BMWの正式名称は「Bayerische Motoren Werke AG」といい、これを日本語に訳すと”バイエルン発動機製造株式会社”。
これまでにはこんなロゴの変遷をたどっていますが、BMWのロゴはもともと「プロペラマーク」とも呼ばれます。
その理由としては、社名の示すとおり、もともとBMWはエンジンを専門に製造していて、その得意分野は航空機。
白い部分はプロペラ、青い部分は青空を表現しているというわけですね。
新しいBMWのロゴはこう使われる
そして今回BMWが発表した内容によれば、新しいロゴはウエブサイトや(すでに変更済み)ポスター、イベント時の広告物において使用されるとされ、クルマやディーラーの看板、ディーラー内の表示においては「これまでと変更なし」。※ただし今回のコンセプトi4のように、コンセプトカーに対しては使用することになるのかも
つまりは2つのロゴが併用されるということになりますが、以前のロゴを残すのは「コストがかかるから」だと思われます。
たとえば自動車のロゴ(エンブレム)を変更すると新た他設備投資が必要であり、ディーラーにて使用するロゴを変更するとなると、店舗の外にある看板、店内のプラーク、封筒、書類、名刺などすべてを変更する必要が。
そうなると「相当なコスト」が生じることになり、おそらくBMWはこれを嫌っているのだと思われ、よって「今までの分はさておいて、新しく作るもので、コストがそうかからないものだけを変更する」ことにしたのかもしれません。
ただ、同じようにロゴ変更を発表したフォルクスワーゲンは、「目にするすべてのロゴを変更する」としており、全世界154カ国、1万件以上のディーラーにおいて変更が必要な項目は「7万以上」。
ディーゼル不正事件への賠償金支払いの必要があるため、相当に台所事情は苦しいはずですが、フォルクスワーゲンはイメージ転換のために相当な費用を支払うという意思の強さを見せています(もちろん本社だけではなくディーラーも負担することになりますが)。
フォルクスワーゲンがそこまでしてイメージを変えてゆこうとしているのに対し、BMWの今回の発表はちょっと「日和ったな・・・」という印象も否めず、意思の表明としてはやや中途半端。
この中途半端さが、BMWの「コストを気にして吹っ切れない」体質を表現しているとも思われ、「やるときはやる」フォルクスワーゲンとの差だと言えそうですね。
VIA:BMW