| 2000台の限定となるものの、2000台を売り切ることができるかどうかは非常に微妙 |
BMW i3は偉大なる失敗作としてBMWの社史に残ることになるだろう
さて、BMWが電気自動車「i3」を販売終了とすると発表し、あわせて「ユニーク・フォーエバー」エディションを追加することに。
i3についてはしばしば「終了」の噂が出ながらも販売が続けられていましたが、今回ついに「正式にて」その死刑宣告が出されたというわけですね。
i3はi8とともに「iブランド」立ち上げの際に華々しくデビューした電気自動車であり、i8とともに完全新設計そして専用の設計を持っていて、日本で生産されたカーボン繊維をアメリカはワシントン州の工場で成形し、最終的にはドイツの工場にて組み立てを行うというプロセスを採用していますが、これら工場も「水力」「太陽光」といったクリーンエナジーを利用することで「サステナビリティ」を全方向性において表現しています。
ただしそのコンセプトは理解されなかった
加えて再生素材やエコレザーを採用したりといった内装を持ち、とにかくエコにこだわったために「価格が高くなってしまい」、その結果思ったよりも売れなかったというのが実情です。
当時の電気自動車というと「リーフ」程度しか存在せず、しかしBMWはそういった普及価格帯のEVではなく、「高価であっても、より環境に配慮した、専用設計を持つ」クルマのほうが知識層に届くのではと考えたようですが、その目論見は見事に外れたと言って良さそう。
その後BMWはなんとかiブランドを立て直そうと、しかし方向転換を試みて「自動運転とコネクティビティ」を目指すものの、自動運転を実現することは難しいということがわかり(実際に中国にて大規模なテストを行っている)、そしてコネクティビティについても「一般に普及してしまったので」売り物にならなくなってしまい、またしても方向性を失ってしまうことに。
結局は「普通のEV」戦略に
その後BMWはEVに対してビビってしまったのか、一気にEVに対してトーンダウンしてしまい、かつてはほかメーカーに先んじてEVを発売したものの、その後はメルセデス・ベンツ、アウディ、ポルシェなどライバルがどんどん新しいEVを発売する中でもなかなか「新しいiシリーズ」を発売できず、ようやく発売したのは既存車種をEVへとコンバートした「iX3」や「i4」。
これらは専用設計ではなく、当初の「iブランドの思想」とは大きくかけ離れたクルマではありますが、BMWの(i3の失敗によって)出した結論が「いくらこだわっても、人々には理解してもらえない」「であれば既存プラットフォームを使用してコストをかけずにEVを作ったほうがマシ(失敗したときのダメージが小さい)」というものだったのかもしれません。
これは手痛い失敗を喫したBMWが得た「教訓」ということになりそうですが、それでもBMWは新しいiブランドのフラッグシップ「iX」を発売しており、まだまだ「iシリーズを諦めていない」という姿勢も伺えます。
いずれにせよ、i3は「輝かしい失敗作」しかし「時代に先んじたエポックメイキングなクルマ」としてBMWの歴史に名を残すことになりそうですが、ぼくの中では「もっとも売るときに損をしたクルマ」「もっともあおり運転をくらったクルマ」として記憶されることになりそうです。
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