| 最近のBMWはシリーズごとに大きくデザインを分け、個性をうまく分けている |
なんだかんだ言って、この新型X1 / iX1もけっこう売れそうだ
さて、BMWが新型SUV「iX1」と「X1」を発表。
これらの相違は「ピュアエレクトリックモデル」「ガソリン/ディーゼルエンジン搭載モデル」なのかどうかということですが、プラットフォームはじめ内外装の多くを共有しており、こういった「同じ車体を内燃機関搭載車とEVとで共有し、名称違いで販売する」という手法は近年のBMWに顕著です。
この背景としては、現段階でEV専用に設計し発売したとしても大量の販売が(インフラの拡充が追いついていないということもあり)見込めず、よってモトが取れないので、EV設計/製造のコストを限りなく低く抑えたいという意向があるのだと思われます。
BMW iX1はこんなクルマ
そこで今回発売されたiX1ですが、これはX1のピュアエレクトリック版であり、本国にて用意されるのはひとまず「iX1 xDrive30」のみ。
これは前後に合計2つのモーターを搭載し、最高出力313馬力/494Nmを発生する全輪駆動のピュアEVで、0-100km/h加速5.7秒、最高速は180km/hだとアナウンスされています。
搭載されるのは64.7kWhのリチウムイオンバッテリーで、最大だと130kWhのDC急速充電に対応しており、約29分にてバッテリー残量10%から80%までの充電が可能だとされています(10分で120kmぶんのバッテリー容量をチャージできる)。
なお、このiX1の「電費」は100kmの走行あたり17.3~18.4kWhで、一回の満充電あたり航続距離は最大で438km。
ちなみにiX1のライフサイクル全体の地球温暖化係数は、(内燃機関搭載版の)X1 sDrive19iよりも約30%低く、充電に再生可能エネルギーを使用した場合は、約60%低くなるとしており、環境にシビアな欧州市場では大きな歓迎を受けることになりそうですね。
iX1は「X1との差別化」のために外観上での変更をいくつか実施していますが、フロントグリルは(EVなので)全閉、そしてキドニーグリルやフロントバンパー、サイドステップ、リアバンパー、ホイールセンターキャップにはブルーのアクセントが付与されています。
こちらはiX3のインテリア。
シンプルかつミニマムな作りを持っており、アームレストは「フロート」形状を持ち、先端にはコントロールスイッチを内蔵しています。
新型BMW X1はこんなクルマ
そしてこちらは内燃機関搭載版のX1。
こちらはブランニューモデルではなく従来型X1からのフルモデルチェンジ版ということになりますが、従来型の「ワゴンっぽい」ルックスからSUVらしいルックスへと生まれ変わり、アクティブな印象が増したようにも思います。
iX1同様に大きなキドニーグリルを持ち、バンパーやボンネットなどのダイナミックな造形が目を引きます(全体的に、各パーツの造形が大きい)。
ボディサイズはかなりコンパクトですが、リアハッチが後ろの方にすこし出っ張るなど室内容積を最大化しようとしたことがわかりますね。
リアバンパーにはフロント同様、シャープな造形を持つL字型のパーツが装着され、前後バンパーやサイドのロックガードとともにオフロード風味を増加させているようにも感じます。
テールランプはかなり立体的で、BMWとして共通するイメージをもたせつつ、そのクラスにマッチしたデザインが与えられているように思います。
欧州市場だと136PSを発生する1.5リッター3気筒ターボエンジンを搭載したX1 sDrive18i、48ボルトのマイルドハイブリッドテクノロジーを採用した2.0リッターターボ4気筒(204PS)を積むxDrive23i、さらには2.0リッターターボディーゼル(150PS)を積むxDrive18、マイルドハイブリッドを採用した2.0リッターターボ4気筒(197PS)を積むxDrive23dがラインアップされています。
なお、新型X1は従来型に比較してわずかに車体サイズが大きくなっており、しかしそれ以上に居住空間が拡大されているとアナウンスされていて、iX1同様のフローティングコンソールの採用等によって「さらに広々」とした空間を実現しているようですね。