Image:BMW
| BMWは現在「オフロード路線」を強調したクルマを持たず、これは逆に「チャンス」でもある |
オフローダー風のX5もなかなかにカッコいい
さて、BMWがX5の25周年記念を祝う特別仕様車「シルバー アニバーサリー エディション」を発表。
このシルバー アニバーサリー エディションはxDrive40i をベースにしつつもxOffroad パッケージを装着することでワイルドな外観へと変貌を遂げ、そしてインディビジュアル ペイント (ライム ロック グレー) とテールゲートの特別バッジを備えることが特徴です。
なお、このxOffroad パッケージには機械式リア ディファレンシャルロックとアンダーボディプロテクション、さらには2軸エアサスペンションが組み込まれることで最低地上高が上昇し、専用のドライブモードとしてxSnow、xSand、xGravel、xRocksの4つが選択可能に。
各モードでは、車高、トラクション コントロール、ギアボックス シフト、加速応答、その他のパラメーターが事前に設定され、それぞれのシーンに最適な設定へと車両を変化させることができるように。
BMWのSUVの歴史はここから始まった
BMWはメルセデス・ベンツとともに比較的早くSUVへと取り組んだ自動車メーカーですが、初代X5(E53)は1999年に販売が開始され(メルセデス・ベンツMクラスは1997年)、現在だとBMWにおける”Xシリーズ”は大きな収益の柱となっており、しかしそのシリーズの元祖がこのX5であったわけですね。
そしてこのX5は(BMWにとってはじめてのドイツ本国以外の工場である)初代から米国スパータンバーグ工場にて生産されていて、よってこの「シルバー アニバーサリー エディション」はこの工場の祝賀も兼ねているため、残念ながら販売されるのは「米国市場のみ」。
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この「シルバー アニバーサリー エディション」には、上述の特別装備のほか、周囲の地形を表示するために時速35キロまでの速度で動作する”xOffroadカメラ”が装着されており、これに加えて周囲の地形の傾斜または下り坂の勾配を(インフォテイメントスクリーンに)表示することが可能なxOffroad Viewも追加されています。
さらにはオプションとしてオールテレーンタイヤも装着できるといい、これらによって通常のX5とは大きく印象の変わるクルマとなるわけですが、BMWはメルセデス・ベンツとは異なってオフローダーを持たず、しかし今回の「シルバー アニバーサリー エディション」が好評であればなんらかの新しい動きが見られるのかもしれません。
なお、メルセデス・ベンツはステーションワゴンにおいても「オールテレイン」、アウディは「オールロードクワトロ」を投入しているものの、BMWにはそれに対抗しうる仕様のクルマは存在せず、BMWがここから販売を伸ばそうとすると”オフローダー”がひとつの活路となる可能性がありそうです(とくに北米市場ではこういった仕様が好まれる)。
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参照:BMW USA