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BMWがプレミアム市場にてアウディ、メルセデス・ベンツを抑えて首位に立つ。やはり「目立たない」よりも「悪目立ち」したほうが現代の市場では商業的に有利なようだ

BMW

| ちなみにボクはBMWのデザイン的な戦略、そしてそのデザインを支持している |

もはや自動車は機能性商品というよりもファッションアイテムのひとつである

さて、そのデザインが酷評されることが多いBMWですが、直近でなされた販売実績報告を見ると(逆にデザイン面での批判を受けることが少ない)アウディとメルセデス・ベンツの販売をプレミアムカー市場にて上回ることに。

これは「なんだかんだ言いながら、人々がBMWのアクの強いデザインに惹かれている」という事実の証明であり、マザー・テレサのいう「好きの反対は”嫌い”ではなく無関心」という言葉の真意を裏付けているのかもしれません(嫌いということは関心がある証拠である。これは少女漫画のプロットにも顕著である)。

実際のところ、BMWは人々の関心と興味を引き出すためにアグレッシブなデザインを採用しており、それを見た人々が話題にしなければ「負け」とまで語っています。

BMWの巨大グリルは話題作りのための炎上商法だった!「発売されて、議論の対象にならないようであれば我々の負けです。議論によって新しい顧客を呼び込めるのです」
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BMWは2024年上半期、こういった成績を残している

そこで今回発表された業績を見てみると、BMWは2024年上半期に1,096,486台(前年同期比で2.3%増)を販売し、メルセデス・ベンツ(960,000台、8%減)とアウディ(833,000台、8%減)を上回るという成果を残しています。

ここで特筆すべきは全世界/全自動車業界規模で「売れない」と言われるBEVの販売が34%も伸びて約18万台を記録したことで、これもメルセデス・ベンツがBEVの販売を17%落とした(93,400台)のとは対象的です。※アウディのBEV販売は1.3%増

販売増に貢献したのは(デザインが酷評された)7シリーズ(前年同期比+22%)、そしてX1と3シリーズだと説明されており、M部門の販売も+5.1%と好調です。

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一方でBMW傘下にあるミニは-18.7%、ロールスロイスは-11.4%と大きく落ち込み、しかしこれはモデルラインアップの入れ替えに伴い一時的に生産が減少したためだと考えられ、しかし今後両ブランドとも「エレクトリックへとシフト」してゆくため、もしその方向性が顧客に受け入れられなかったとなると、さらに大きく販売を落としてしまうこととなるのかもしれません。

参考までに、同じプレミアムセグメントだと、ポルシェがすでに2024年上半期の販売実績を公表しており、BMWとは逆に前年同期比で7%減(115,945台)という奮わない状況で、とくに中国市場では33%もの下落を記録しています。

ポルシェの2024年上半期は全世界で-7%。「主要モデルのフェイスリフトが響いた」とされるもタイカンの販売は-51%、中国市場全体では-33%となり戦略の見直しが必要か
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ポルシェはこの落ち込みについて「主要モデルのフェイスリフトが重なったため」と説明しており、ロイター通信によれば、ポルシェ、そしてメルセデス・ベンツ、アウディともに「今後投入するニューモデルにて販売回復を目指す」とコメントしてるそうですが、BMWに比較すると目新しいニューモデルに乏しく、ここしばらくの間はBMWの優位性が続く可能性もありそうですね。

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今年の最初の6か月間、完全電気自動車と高級セグメントのモデルが2桁の成長を遂げました。この販売増加は「厳しい市場環境」にもかかわらず達成されており、その理由は当社の「魅力的な」製品ポートフォリオに起因すると捉えています。

BMW AG 顧客、ブランド、販売担当取締役会 ヨッヘン・ゴラー

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参照:BMW

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