| メルセデス・ベンツが中国に新工場建設。中国生産を加速 |
ダイムラーが中国にて、BAICとのベンチャーによる新たな生産設備の建設を行う、と発表。
メルセデス・ベンツの親会社であるダイムラーは、中国展開に際してBAIC=北京汽車との合弁会社、Beijing Benz Automotiveを運営しており、この新工場だと思われます。
なお、BMWも先日、中国に工場を建設し、ミニを製造する、と公表していますね。
いずれは中国からの輸出もありうる?
もちろんメルセデス・ベンツ、BMWはすでに中国で車両を生産していますが、これら「新工場」建設はさらに中国生産を拡大するということを意味し、中国内の需要を満たすという意味合いのほか、「中国で生産したものを輸出する」ことを視野に入れているがための行動である可能性も(実際にBMWは輸出免許を取得している)。
ダイムラーはどのモデルを新工場で製造するかに触れていないものの、おそらくはこれまでの報道を見るに「EQ」シリーズを生産する可能性が大。
ただし、当面は中国で生産する車両は「中国向け」になると思われ、先進国向けの出荷は欧州で製造された車両になると思われます。
現在各自動車メーカーとも中国での生産を強化しており、とくにエレクトリック化をすすめるメーカーにはさらにその傾向が顕著。
現在のところ中国の自動車メーカーと、それ以外の国の自動車メーカーの提携状況は下記の通りとなっています。
第一汽車(FAW)・・・フォルクスワーゲン、トヨタ、ダイハツ、マツダ、アウディと合弁を展開
上海汽車(SAIC)・・・フォルクスワーゲン、アウディ、GM、セアトと合弁を展開。ローバーブランドを保有
東風汽車(DFM)・・・日産、ホンダ、プジョー/シトロエン、キアと合弁を展開
長安汽車(CHANGAN)・・・フォード、スズキ、三菱と合弁を展開。イヴォークのパクリ車を製造するLANDWINDブランドを保有
奇瑞汽車(CHERY)・・・合弁はなく自社ブランドのみで企業活動を行う珍しいパターン
北京汽車(BAIC)・・・メルセデス・ベンツとの合弁を展開
広州汽車(GAC)・・・ホンダ、トヨタ、フィアット、三菱と合弁を展開
吉利汽車(GEELY)・・・ボルボ、ロータスを買収、新ブランドLynk&Co.を展開
長城汽車(GREATWALL)・・・BMW(MINI)と提携しアメリカに工場建設
比亜迪汽車(BYD)・・・メルセデス・ベンツとEV生産で合弁
華晨汽車(BRILLIANCE)・・・BMWと合弁
浙江衆泰控股集団(ZOTYE)・・・ポルシェ・マカンほかのパクリメーカー。フォードとEV生産で合弁設立
江淮汽車(JAC)・・・フォルクスワーゲンとEV生産で合弁
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