
| アウディのクルマは「高い内外装の品質」を持つことがアドバンテージであったが |
今では他社に「追いつかれ」、しかしアウディはそこから先のアドバンテージを構築できていない
さて、ここ最近「ジャーマンスリー」の中では一人負けの様相を呈しているのがアウディです。
1990年代半ば以降、アウディは他のブランドとは一線を画す妥協のない仕上げと素材の品質で知られてきましたが、これによってメルセデス・ベンツとBMWに対するアドバンテージを構築し、これがアウディをプレミアムカーメーカーへと成長させるための原動力になったものと理解しています。
しかし最近、アウディ特有であったこの「高品質」な仕上げは多くの自動車メーカーも持ちうるようになり、よって相対的にアウディの地位が揺らぎ始めているのもまた事実(本来であれば、他社が追い上げる速度よりも速いスピードをもってアウディは先に進むべきであった)。
-
-
テスラは販売が縮小したといえども「たった4車種で」「数十もの車種を抱える」アウディ全体の販売を抜くことに。7年前にはアウディの1/19しか車両を販売できなかったテスラが大逆転
| 2017年当時、まさか誰もが「テスラがアウディを抜く」とは考えていなかっただろう | それどころか「テスラは数年内に倒産する」とすら見られていた さて、「ついに成長が途絶えた」とされるテスラですが ...
続きを見る
最新のアウディ各モデルに採用される素材の品質は「高くない」
アウディは昨年だけでA6 E-Tron、Q6 E-Tron、A5セダン、A5アバント、Q5 SUV、Q5スポーツバックの6つのニューモデルを発表しており、数週間以内にはA6アバント(内燃機関モデル)が発表される予定だと言われます。
-
-
アウディが新型A5セダン/A5アバントを発表。これまでのA4は廃止してA5と統合、新設計のプラットフォームと新デザイン言語を採用する第一号として登場【動画】
Audi | アウディはここから車両技術、デザインともに大きく変革の時期を迎えるものと思われる | この新型A5/S5は非常に高い競争力を発揮することになりそうだ さて、アウディが新型A5リムジン(セ ...
続きを見る
ただ、これら新しい車両を詳しく見ると、各モデルのインテリアに使用されている素材の品質につき、場合によっては非常に失望させるケースがあるといい、これまでのアウディの顧客にとっては「理解に苦しむレベル」であるというレビューも散見されるほど。
最初の印象で目に見えるもの、触れるものはそれほど悪くはなく、ほとんどすべてが許容範囲内に留まっているものの、しかし”その下に隠れているもの”は数年前にはアウディのラインアップには存在しなかったものだといい、ドアパネルやグローブボックスの硬いプラスチックはチープな質感にとどまるうえ、経年による劣化を容易に連想させるものだと言われます。
アウディ自身もこの問題を「憂慮」
そして興味深いのは、アウディ自身もこの問題について認識しているということで、新しいQ5の試乗イベントにおいて、アウディの製品と技術コミュニケーション部門の責任者であるオスカー・ダ・シルバ・マルティンス氏が「過去には確かに我々は品質面で優れていたが、(今はそれほどではないので)再びそこに戻るつもりだ」と述べ、さらにはアウディの品質に対する顧客やメディアの要求が(アウディ内部で)少し過小評価されていた可能性についても指摘しています。
加えて、アウディの他の幹部は、近い将来「この分野での改善の兆しを見せるだろう」とも述べており最新モデルのフェイスリフトでは、低品質の素材が過去のものになるはずだ」とも。
つまりアウディは顧客からのインテリアに対する低評価を真摯に受け止め、それを改善する意思を示しているということですね。
参考までに、アウディ属するフォルクスワーゲングループ各ブランドでは内装品質の低下が問題視されており(ゴルフ8では著しいコストダウンが指摘されている)、フォルクスワーゲンもこれについて「改善を行う」と公式にコメントしたことも。
実際のところ、アウディそしてフォルクスワーゲンブランド各モデルがどのように改善を行うのかはわからないものの、続報に期待したいところでもありますが、もう一つ参考までに、アウディは新型A5にて「消費者から評判がよくなかった」フェイクテールパイプを廃止しているので、意外や顧客の声をよく聞く自動車メーカーなのかもしれません。
-
-
アウディが10年も続けた「フェイク」テールパイプをついに廃止、新型A5/S5ではちゃんと機能するように。「お客様からの意見に基づき決定しました。やはり偽物は嫌われるようです」
Audi | アウディでこの「フェイクエキゾーストパイプ」を考えた人は”針のムシロ”だろう | ただし他の自動車メーカーでもフェイク、そしてそれに準ずるテールパイプは少なくはない さて、過去10年間、 ...
続きを見る
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
トヨタがクラウンスポーツの開発秘話を披露。「デザインにかかったのはわずか21ヶ月」「リアフェンダーの設計は700回失敗」「内装デザインは入社5年目の女性」
| トヨタはそのデザインの実現のために様々な投資を行ったり技術を開発を行えるように変化した | 以前だと「今ある技術」を使用してコストを抑えることが優先されたと言われたが さて、現在まだまだ注文するか ...
続きを見る
-
-
ブガッティ・トゥールビヨンを見てきた。外装もスゴいが内装もこれまたスゴい。やはり最大のハイライトは「機械式腕時計職人が作ったメーター」だろう【動画】
| ブガッティ・トゥールビヨンのインテリアはこの世のものとは思えない美しさである | 高品質な素材に高品質な加工、そして時の淘汰を受けないデザイン さて、ブガッティ・トゥールビヨン見聞録、今回は「後編 ...
続きを見る
-
-
新型ポルシェ マカン「エレクトリック」を見てきた。その内装は驚くほど”すっきり”、センターコンソールはフローティングマウントに【動画】
| 新型マカン・エレクトリックは内外装から「そのテクノロジー」を視覚的に感じることができ、ポルシェのEVが新世代に突入したことを伺わせる | そしておそらく、時が経つにつれ、この傾向は加速してゆくのだ ...
続きを見る