| この「フラットノーズ」は当時で約540万円のオプションパッケージ |
さて、レア中のレアなポルシェ911、1988年製の911ターボカブリオレ「スラントノーズ」が中古市場に登場。
この個体は911ターボに「スラントノーズ・パッケージ」を装着したもので、これによって「ポップアップ式ヘッドライトとルーバーを内蔵したフロントフェンダー」「専用サイドステップ」「専用インテークつきリアフェンダー」「ポルシェクレスト(エンブレム)つきステアリングセンターパッド」が付与されることになりますが、そのオプション価格は当時の価格でなんと5万ドル(これを装着すると、車両価格が1.7倍くらいになる)。
930ターボ+スラントノーズの生産はわずか948台
なお、この930ターボ+スラントノーズ(フラットノーズ)という組み合わせが生産されたのはわずか948台のみだとされ、一説によるとアメリカ向けで160台、英国向けで50台。
元祖スラントノーズはレーシングカーである「935」だとされ、このスタイルを市販車にも再現しようということで、ロードカーの「911ターボ」に対し、1981年からオプションとして用意されたのが、この935風のノーズを持つ「フラットノーズ(スラントノーズ)。
ウワサによると、ポルシェの顧客が「フェラーリのような外観を求めた」ために(オプションとしての)スラントノーズが誕生したとも言われ、しかしその詳細は不明です。
なぜポルシェ911「スラントノーズ」は高価なのか
なお、この「異常な」高価格の理由としては、「一旦完成した、通常の(カエル顔の)911ターボをまた分解してからスラントノーズ仕様にするため」だとも言われていますが、当時ポルシェは、カスタム仕様車を製作する場合、「まず通常の仕様で作ってから」改めてパーツを入れ替えるという無駄なことを行っていた模様。
ちなみにぼくが最初のポルシェを購入したのは2002年で、その際にも一部オプションは「生産終了後に手作業で入れ替えることになるので」非常に高価になり、時間がかかると説明を受けています(さすがに現代ではそんな非効率的なことをしないとは思う)。
リアの「バンパレット」はかなり大きめのデザイン(同じ北米仕様でも、もう少し小さいバンパレットを持つ個体もあるようだ)。
ポルシェ930ターボ「スラントノーズ」のインテリアはこうなっている
こちらは930ターボ「スラントノーズ」ですが、上述のとおりステアリングパッドに「ポルシェクレスト」入り(しかもカラー)。
ブラウプンクト製のオーディオ、8ウェイ電動シートが装着されています。
このほか、オプションとしてはアラーム(盗難警報)システム、エアコンプレッサー、LSD等が挙げられ、もともとの説明書や整備手帳も付属する、とのこと。
見ての通りコンデイションは上々であり、走行距離はわずか5,558kmにとどまることから398,900ドル(約4300万円)というプライスタグが掲げられています。
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