| 車両持込みにてEV化、価格は35万ドルから |
これまでにも911をEV化するケースは多々あったが、ここまでパフォーマンスに特化したカスタムはほかにない
さて、ポルシェは911のEV化に対して慎重な姿勢を見せており、おそらくポルシェのラインナップ中では「もっとも最後にEV化されるのが911」だと思われます。
ただし世界中には「独自にEV版911を作ってしまった」会社や個人が多数存在し、今回紹介するエヴァラッティ・オートモービル社もそのひとつ。
なお、このエヴァラッティ・オートモービルはポルシェ911のみではなく、既存のクラシックモデルをレストアし「自動車業界の新たな電動化時代に対応させる」ことを会社設立の目的としている、とのこと。
最新作はポルシェ911のピュアエレクトリックモデル
そしてこの(2019年に設立された)エヴァラッティ・オートモービルが公開した最新作が964世代のポルシェ911をベースにしたエレクトリックバージョン。
今回のEV化に際し、エヴァラッティ・オートモービルは1991年式のポルシェ911からパワートレイン、サスペンション、インテリアパーツ等を取り外して完全に分解し、その後に防錆処理を施してカーボンファイバー製のボディを架装することに。
なお、この911ピュアエレクトリックモデルはドナーカーの持ち込みにて製作されるそうですが(費用は35万4000ドルから)、たとえばサンルーフ付きの車両の場合は「カーボンルーフ」ではなく、サンルーフを残したスチールルーフを用いるなど臨機応変に対応するようですね。
エレクトリックパワートレインの出力は500馬力
当然ですがもともとの911に装着されていたフロントの燃料タンク、リアのエンジンは取り外され、かわりにバッテリーそしてエレクトリックモーターが装着されることに。
これによって「リアに偏った重量配分を電動パワートレインによって適正化し、最新のスポーツカー同様のパフォーマンスを獲得した」とコメントされていますが、詳しいメカニズム、そして重量配分については明かされておらず、そのあたりは現時点で「不明」です。
ただし0−100km/h加速については4秒以下、そして一回の満充電にて走行できるのは150マイル以上だとされているので、「まずまず」のパフォーマンスそして実用性ということになりそうですね。
さらにサスペンションについては「アダプティブダンパー」が採用されるなど大きな進歩が見られており、これまで見られた「単なる911のEV化」とはワケが異なるようにも思います。
ちょっと心配なのは、「911らしさ」が損なわれているのではということですが、車輌の開発に際しては、元BTCCチャンピオンそしてポルシェ・カレラカップ・ドライバーズチャンピオンのティム・ハーベイ氏の協力を得たとのことなので、そういった心配は杞憂に終わるのかもしれません。
インテリアについてもオリジナルのデザインそして形状を踏襲しているものの、アルカンターラの使用やパイピングなど、当時の911に使用されていなかった要素も盛り込まれており、そのボディやパフォーマンス同様、大幅なアップグレードが施されていると考えて良さそうです。
もちろん、(いずれの個体もオーダーメイドという性格を考慮するに)内外装ともに顧客の要望に応じ、様々なカスタムが可能なのだと思われます。
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