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新体制となったアルファロメオは「スポーツカーを作りたい」。しかしその前に「まず乗り越えなければならない課題があり、それは信頼性です」

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| ただしこの信頼性とは、製品の品質のみではなく「ブランドとしての安定性」をも指している |

やはりユーザーにとっては「安心し、継続してそのブランドのクルマを購入できる」環境が必要である

さて、アルファロメオはその販売低迷がしばらく続き、その責任を取る形でCEOが更迭され経営体制が一新されていますが、その後いくつかの新しい方針が打ち出され、「次期ジュリアとステルヴィオにはガソリンエンジンが搭載される」というのもそのひとつ。

そして今回、アルファロメオのマーケティング責任者であるクリスティアーノ・フィオリオ氏がいくつかの情報をもたらしています。

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アルファロメオにおいては「品質」が常に問題であった

欧州ではよく「アルファロメオを所有したことがなければ、本当のクルマ好きとは言えない」と言われてきましたが、この背景にあるのは「アルファロメオを所有するには、多くのトラブルに耐える覚悟が必要だから」だとされ、これを乗り越えてこそ真のエンスージアストだと認められるという風潮も。

これは日本でも同様だと認識していて、アルファロメオノリが集まると往々にして「トラブル自慢」になるといわれる状況がこれを端的に表しているようにも思います。

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ただ、アルファロメオを購入する人、「普通に」クルマに乗る人がみなエンスージアストであるわけではなく、よってこの「トラブル(品質問題)」がアルファロメオの普及を妨げてきたというのもまた事実。※前CEOもこの問題を認識しており、着任後最初に掲げたのが「品質の向上」であった

そしてクリスティアーノ・フィオリオ氏は今回「皆が待ち望んでいるスポーツカーを作りたい」と述べつつ、「まず乗り越えなければならない課題」として品質を挙げています。

「ファンや顧客の夢を叶えたいのであれば、まず結果を出さなければなりません。ブランドが利益を上げられなければ、将来を維持することはできません。そして、アルファロメオは常に“約束を果たせない”という問題を抱えてきました。」

ここ10年ほどで、アルファロメオは見た目が美しく、走行性能も優れた車をいくつか生み出してきたものの、クリスティアーノ・フィオリオ氏は「現在の」アルファロメオの立ち位置を非常に現実的に捉えており、さらに「今必要なのは”信頼性の向上”」だとも。

いまのアルファロメオには「安定性」が欠けている

そしてこの信頼性については、製品としての品質のみではなく、ブランドとしての「安定性」「継続性」であるとも認識しているようで、つまりは「コロコロ方針が変わったり」「すぐにその車種が廃版になったり」することなく、顧客が安心してアルファロメオのクルマを購入できる環境を作る必要があると捉えているようです。

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「信頼性を築くために、まず毎年新型車を発表し、それを確実に市場に投入し、収益化し、投資に見合う数字を達成することが重要です。実績を積み上げた後で、初めて“夢”を語れるのです。アルファロメオの社員なら誰もが、いずれは“手の届くパフォーマンスカー”を再び作りたいと思っています。しかし、“なぜモータースポーツに復帰しないのか?”と問われるように、夢を見る前に、まずは結果を出さなければなりません。」

たしかに同氏の見立ては「正しく」、そして「結果」を出さねばならない立場にあるのが現在のアルファロメオではありますが、ここしばらくの間で登場するクルマは旧体制のもとで開発された車両であり、よって新しい経営体制による新型車が登場するのは「数年先」。

そのためアルファロメオは今後数年間において厳しい評価にさらされることになるのは間違いなく、しかし、現実的な戦略と確実な実行力があれば、アルファロメオは再び輝くチャンスを掴めるはずだとも考えています。

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参照:CARBUZZ

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