| フェラーリ本社もこれを知っていた? |
昨年、北米のフェラーリディーラーが販売する中古車に対し「メーター巻き戻し(今はデジタルなので”巻く”ことはありませんが)」を行っていること、もとディーラーマンがこれについて訴訟を起こしたと報じられ、そして今回は複数のディーラーがそれを行っていたこと、フェラーリ本社もそれを知っていたことが明らかになった、との報道。
今回は裁判所が証拠として入手したメモの内容が明らかになっています。
現在のところ事実関係は不明
北米におけるフェラーリのインポーターは「フェラーリ・ノースアメリカ」となりますが、このメモによると、インポーターはディーラーがメーターの巻き戻しを行っていることを知った後、インポーターは「これをやめるように」と指示。
なおフェラーリのテスター「DEIS」には、メーターに問題が生じたときに「走行距離をゼロに戻す」機能があり、この機能をディーラーが悪用して「走行距離を戻して」販売していたこと、中にはその車両を売却する顧客と共謀してこれを行っていたことが過去に報じられています。
これを行うことのメリットとしてはもちろん「走行距離が少ないほうが高く売れる」からで、顧客と共謀するのは、顧客も「高く売れたほうが良いだろう」ということ、その顧客を巻き込んでおかなければ(特に限定フェラーリの場合は数が少ないので)あとでバレる可能性が高いためかもしれません。
ただ、いかに見せかけの走行距離が短くとも実際に走行していれば部品も劣化しており、しかしメーターの距離が不正確だと「交換時期」の判断に問題が出て車両トラブルに繋がる可能性も。
そしてこのメモによれば、DEISを使用してオドメーターをゼロにするとフェラーリ本社の知るところになるとしており、つまりインポーターに加えて「フェラーリ本社もこれを知っていた」ということに。
さらにはこのDEISにはアップデートが行われ、ディーラーが「巻き戻し」を行う機能が削除されたことからもフェラーリが「巻き戻しての車両販売」を理解していたはずだ、と原告は主張(問題を知った後、インポーターやフェラーリは対応を行っているので、放置したことではなく顧客に対する補償の件で争っているものと思われる)。
さらに、巻き戻しを行ったディーラーには「巻き戻しの方法」がマニュアルに記載されており、しかしこれは現在では削除済み。
こういった事実を鑑みて「ギルティ」ではないかということですが、現在フェラーリからのコメントはなく、ディーラーと原告との言い分は真っ向から対立している状態となっています。
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フェラーリディーラーが訴えられる。メーター巻き戻し加担の件にて
以前に「ラ・フェラーリ・アペルタを売ってもらえなかった」としてフェラーリを訴えた男が居ましたが、今回はフェラーリ・パームビーチの元ベテランセールスマンであるロバート・ルートさんが、自身のかつての勤務先であるフェラーリ・パームビーチを訴えるという事案。
ロバートさんによると、ロバートさんが「フェラーリ・パームビーチがメーターの巻き戻しを行っていると知った後」不当に解雇されたとしています。
これが発覚したのは該当フェラーリ・ディーラーの有力顧客が彼のラ・フェラーリのオドメーターを「0」に戻すように指示したことをロバートさんが知り、マニュアルに「どうやって0に戻すか」の記載があるのを見つけた際、とのこと。
当然ながら走行距離の巻き戻しを行うと車両の価値は向上することになり、そのためフェラーリを売却しようとするVIP顧客とディーラーが一緒になってこれを行っていた、というのがロバートさんの言い分。
もちろんこれが事実かどうかはわからず、裁判の成り行きを見たいところですね。