| フェラーリのSUVは「SUVっぽく」はならない? |
フェラーリのSUVはこうなる?というレンダリングをインスタグラマー、ilder project氏が作成。
フェラーリは新たな中期計画とともにSUV発売に触れ、そのコードネームかカテゴリもしくは名称について「プロサングエ(イタリア語でサラブレッドの意味)」になる、ということについても言及(おそらくはコードネームもしくはカテゴリ)。
ただ、フェラーリの発表した内容を見るに、これはSUVというよりはフェラーリGTC4ルッソの5ドア版のようなイメージで、ベントレー・ベンテイガやランボルギーニ・ウルスとはかなり趣が異なるようにも思われます。
フェラーリはなぜSUVを作るのか
なお、フェラーリがSUVを投入するのはもちろん「利益」のためですが、これは現在のラインアップのままだと利益を大きく伸ばすのが難しい、ということに端を発しています。
フェラーリのブランド価値を形成する一つの要因は「希少性」なのは間違いなく、しかし現在のラインアップのままで「客が欲しがるだけ」の数を生産してしまうとその希少性は失われ、中古相場とともにブランド価値も下がってしまうわけですね。
そして現在のラインアップつまりスーパースポーツは、それを買う人が限定されているために一定以上の広がりが期待できず、現在はまだ(スーパースポーツ市場が)成長途上にあるものの、一定のところまで行くと「そこから先」が期待できず、新車も中古車も溢れかえってしまう、ということになりかねません。
しかしフェラーリは今や上場企業なので、株主の権利を守るためにも利益を伸ばしてゆく必要があり、そこで思い至ったのがSUV。
これだとスーパースポーツとは異なって「数を売ったとしても」フェラーリのブランドイメージを阻害するとは考えにくく、今あるラインアップに利益を上乗せできる可能性も。
もちろん「フェラーリがSUV」ということで多少なりともブランドイメージの希薄化を招くことは間違いないものの、このままスーパースポーツを増産し、それが「余って」ブランドイメージが損なわれるよりはずっとマシだろう、とも考えています。
ポルシェは「カイエン」そして「マカン」を発売したことで大きく環境が変わり、今やポルシェの販売における半数以上がSUV。
ただ、それでポルシェのスポーツイメージが失われたかと言われるとそうでもなく、911GT2RSのような超スパルタンなモデルを発売したり、これまで以上にスポーツイメージイメージを高めているように思います。
それはSUVの販売によって得た利益で可能となったとも言えますが、逆に「スポーツカー専業」にこだわって販売がジリ貧になり、開発費用も出ないとなると、かつてのアストンマーティンのように「モデルチェンジせずにずっと同じ車を売り続けたり、エンジンやトランスミッションについても大衆車と同じものを流用」といったことにもなりかねないわけですね(プライドが高く、仕事をより好みしてずっと無職でいるフリーターみたいなもの)。
であればSUVを作って売りまくり、それによってスポーツイメージが希薄化されるのであれば、その希薄化した分の何倍もの濃度を持つスポーツカーを(SUV販売によって得て利益で)作ってそのパフォーマンスを世に知らしめるほうがよっぽどいい、とも思います。
なおポルシェが最近そのレーシングカーに対し、過去に活躍した歴史的レーシングカーのカラーを反映させるのも「スポーツカー濃度を高める」一つの手法だと思われ、「718」のネーミングを復活させたのもまた一つの手段であるのは間違いなさそう。
フェラーリにおいても「1950-1960年台のレーシングカーの持つイメージを今後採り入れる」としたこともやはり「フェラーリのルーツはレースにある」と示すためだと思われ、SUV発売によって失われる「何か」を取り戻し、かつ以前よりもそのブランドイメージを強固にするためなのでしょうね。
ほかにも「もしも」系レンダリングを公開
なお、idler projectはほかにもいくつかのレンダリングを公開。
こちらはポルシェ・パナメーラの「トップカー風」チューンドカー。
こちらはフェラーリ308GTBをハードにカスタムしたもの。
登場したばかりのBMW Z4にエアロパーツを付与。
レクサスRXをガツンとローダウンし、オーバーフェンダーやウイングなどエアロパーツを装着。
VIA:ilder Project-Instagram