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フェラーリが2024年のル・マンにて2連覇を達成、総合勝利数を「11」へ、クラス優勝を含めると勝利数を「40」へ。今年は稀に見る接戦だった

フェラーリが2024年のル・マンにて2連覇を達成、総合勝利数を「11」へ、クラス優勝を含めると勝利数を「40」へ。今年は稀に見る接戦だった

Image:Ferrari(X)

| 正直、今年はフェラーリ勢が優勝するのは難しいだろうと考えていたが |

やはり耐久レースはいかに「ミスをせず」生き残るかが重要である

さて、フェラーリがみごと2024年のル・マン24時間レースにて優勝を飾り、その累計優勝回数を「11」へと伸ばすことに。

なお、ル・マン24時間レースでもっとも多くの勝利を収めたのはポルシェであり、その回数はなんと19(101回の開催のうちの19なので、これは驚くべき数字である)、そして次はアウディの13、さらに今回記録を伸ばしたフェラーリの11へと続きます。

ちなみにフェラーリがはじめてル・マンで勝利したのは1949年(戦後初開催)で、これはなんと創業からわずか3年目の偉業であり、これによってフェラーリはその名を世界に轟かせることになるわけですね(ここで”レースで勝ってクルマを売る”というスタイルが確立されたと言われる)。

フェラーリとル・マン24時間レースは切っても切れない関係にある

なお、この1949年の勝利166MMによってもたらされたもので、「V12エンジン搭載車としてはル・マン初(加えて、当時最も小さな排気量を持つ優勝車だった)」。※チームメイトが体調不良を起こしたため、ドライバーのルイジ・キネッティは24時間のうち23時間を自分一人で運転している

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2回目の優勝は1954年(375 Plus)によってもたらされ、その後1958年(250TR)、1960年~1964年の3連覇へと続きますが(1965年にも優勝)、このうち250Pは「ル・マン史上初のミドシップレイアウトでの優勝車」となるなど、なにかとフェラーリはエポックメイキングな勝利を築いてきたわけですね。

ただししれ以降はル・マン24時間レースでの勝利に恵まれず、1973年を境に(312Pが7位に入る)同レースからから身を引き、しかし2023年に「50年ぶりに」ル・マン24時間レースへと復帰して見事優勝を飾ったというのが昨年までの流れです。

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2024年のル・マン24時間レースはこれまでにないほどの接戦だった

そして2024年のル・マン24時間レースにおいてもフェラーリは総合優勝を飾ったわけですが、今年は昨年とは異なりランボルギーニやアルピーヌの参戦、BMWの復帰などライバル多数。

加えてポルシェは昨年の雪辱(8位)を果たすべく体制を強化して望むなど、スタート前から「どこが勝つかわからない」状態となっています。

今年のスターティンググリッドは1番がポルシェ、2番がキャデラック、3番と4番にフェラーリという並びですが、スタート直後からフェラーリが有利にレースを展開し、しかし大雨に見舞われ、セーフティカーが7時間近くも出動するなど波乱の展開となる中でトップ争いが「フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、トヨタ」に絞られ、これら4車が抜きつ抜かれつを繰り返すという見ごたえのある展開となるものの、スタートから12時間が経過したあたりでは「今年はフェラーリ無理かも」という雰囲気に。

しかしながら終盤にはフェラーリが安定した走りを見せてトップ争いに復帰し、最後の数十分までトヨタ(GR010ハイブリッド)と激しい戦いを繰り広げ、あわや燃料切れになるんじゃないかと思われつつもミゲル・モリーナ/アントニオ・フオコ/ニクラス・ニールセン組の50号車(499P)が311周を走りきってチェッカーを受け、2位はトヨタ・ガズー・レーシングのGR010ハイブリッド(J-M.ロペス/小林可夢偉/N.デ・フリース組)、3位には50号車に36秒遅れてフェラーリ499Pの51号車(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョヴィナッツィ組)が入ります。

なお、4位はポルシェ963、5位はトヨタGR010ハイブリッド、6位はポルシェ963、7位はキャデラック Vシリーズ.R、8位と9位にもポルシェ963、10位にはランボルギーニSC63という順番。

ちなみにフェラーリ499Pはカスタマーカーである83号車(イェ・イーフェイ/ロバート・シュワルツマン/ロバート・クビサ組)も参戦し、長らく(83周にわたり)トップを走っていたものの、こちらは残念ながら248周でリタイヤを喫しています。

ただ、全般的に見ると、悪天候にも関わらず大きな事故もなく、かつリタイヤも少なく、かつ稀に見る接戦(9位までが同一ラップである)という濃い内容であったと捉えており、最後の最後まで目を離せない展開であったと思います。

ちなみにですが、上位5台のうち4台が(LMDh規格ではない)独自設計の車両にて走っており、唯一ポルシェのみがLMDhシャシーを用いてトップ5に食い込んだ形となっていて、こういった状況を見るに「LMDhシャシーにはやはり限界があるのか」と考えてしまいますが、来年どこまでポルシェが順位を上げてくるのかにも期待がかかるところですね(ポルシェはル・マンの勝利に異常な情熱を傾けており、このままで済ますはずはない)。

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