| デザイナーにマルチェロ・ガンディーニを起用しなかったことが心残りでもある |
しかしそれでも、見事に「ベルトーネらしい」クルマに仕上がっているようだ
さて、先日復活とニューモデルの発表がアナウンスされたベルトーネ。
今回は創業110周年を記念したハイパーカー、「GB110」を発表しています。
このベルトーネGB110については、1950年代のアルファロメオBAT、1960年代のカラーボ、そしてランチアストラトス・ゼロなど、ベルトーネの過去の名車にオマージュを捧げたスタイリングを特徴とし、限定33台が製造される、とアナウンスされています。(ただし価格やスペック詳細はまだ公開されていない)。
ベルトーネGB110のオマージュ元となったのはこんなクルマ
そして今回ベルトーネが「オマージュ元」として掲げたクルマを見てみると、まずこちらはアルファロメオBAT(ベルリナ・エアロダイナミカ・テクニカ。ベルトーネによるコンセプトカーで、1953~1955年にかけ3連作としてリリースされている)。
-
アルファロメオ史上最高落札額更新!ベルトーネによる「ベルリナ・エアロダイナミカ・テクニカ」がなんと15.5億円で落札される
| 当時、このシリーズはけっこうなインパクトがあったようだ | さて、コロナ禍にてクラシックカーバブルも一息つき、落札金額に足踏みが見られるとも言われますが、今回は「戦後のアルファロメオでの最高落札額 ...
続きを見る
こちらはアルファロメオ・カラーボ(カラボ)。
1698年にベルトーネが発表したコンセプトカーで、ウエッジシェイプ、シザースドア、ウインドウの処理、リアのホイールハウスの切り欠きなど、のちにベルトーネ(マルチェロ・ガンディーニ)がデザインするカウンタックに大きな影響を及ぼします。
こちらは同じくベルトーネの作品となるランボルギーニ・カウンタック。
-
よく名前の出て来るベルトーネ。そのデザインや「なぜ消滅したのか」を考えてみる
| ぜひとも後世に残ってほしかったが | 自動車史において外すことができない存在、「ベルトーネ」。1912年にイタリア・トリノで創業し、1930年創業のピニンファリーナ、1968年創業のイタルデザイン ...
続きを見る
こちらはランチア・ストラトスHFゼロ・コンセプト(1970年)。
やはり強烈なウェッジシェイプを持ち、その車高はなんと83センチという低さです。
ベルトーネGB110はこんなクルマ
そして今回登場したのがこのベルトーネGB110。
たしかにそれぞれの「オマージュ元」のディティールが見られるように思いますが、おそらくは(そう公表されていないので)元ベルトーネ関係者のデザインではないものと思われ、しかしぼくとしては「マルチェロ・ガンディーニにデザインを依頼してほしかったな」と思ったり。※スケッチにサインが入る「ANDREA MOCELLIN」という人物がデザイナーなのだと思われる
-
オリジナルのカウンタックのデザイナーが「新型カウンタックは認めん」と公式にコメント!マルチェロ・ガンディーニはけして過去を振り返らない人だった
| マルチェロ・ガンディーニ氏ほど芯の通ったデザイナーも少ない | 自動車メーカーとしては戦略上「過去の焼き直し」も必要であり、このあたりの調整は難しい さて、ランボルギーニは「カウンタックの現代版」 ...
続きを見る
現時点でわかっているのはバタフライドア、全輪駆動、7速トランスミッションを搭載すること、そして搭載されるエンジンは1,100馬力と1,100Nmを発生し、8,400rpmという許容回転数を持ち、プラスチック廃棄物から作られた合成燃料で走行できるということ。
パフォーマンス面においては、0-100km/h加速2.79秒、0-200km/h加速6.79秒、0-300km/h加速14秒、最高速度は380km/hという数値が掲げられており、これらはブガッティ・シロンよりも「ちょっと遅い」くらいの数字です(スーパーカーを超え、ハイパーカーの領域に入っている)。
一方わからないのはエンジンのシリンダー数や排気量、電動化されているのかどうか、そもそもベース車両は何なのか(新生ベルトーネはベース車両については語らず、”ドイツ製のパーツを使用している”とだけ公表している)。
ただしそのシルエットやディティールを見る限り、おそらくベースはランボルギーニ・ウラカンであり、しかしホイールベースはウラカンよりも10ミリ短い1,630ミリ、サスペンションはダブルウィッシュボーン(ウラカンと同じ)、フロントホイールは21インチ、リアは22インチだとアナウンスされています。
そしてベルトーネはこのGB110について、「イタリアンスタイルを持ち、オーナーを興奮させ、スポーツカー愛好家の情熱に火をつけるために作られました。しかし同時に、日常的に使えるように作られています。実用的で、快適で、扱いやすく、しかもそのスポーツ性を損なっていません」とも語っていて、しかしこれ以上を知るには追加の情報公開を待つしかない、といった状況です。
あわせて読みたい、ベルトーネ関連投稿
-
2015年に倒産した伝説のカロッツェリア「ベルトーネ」華麗に復活!新型スーパーカーのティーザー画像を公開し、かつての名車「カラーボ」復活を示唆
| おそらくベースは(ドアミラー等から判断して)ランボルギーニ・ウラカンだ | もともとベルトーネはランボルギーニと関係が非常に深い さて、イタリアにかつて存在し、その後2015年に消滅してしまったベ ...
続きを見る
-
「自動車史上、はじめてWRC参戦用に設計されたクルマ」ランチア・ストラトスが競売に登場!ベルトーネデザインにフェラーリエンジン、革新的なエンジニアリングを持つスポーツカーの金字塔
| ここまで割り切ったクルマはもう二度と登場することはないだろう | 総生産台数はわずか492台、工場が火事で焼けてしまったとも言われるが さて、世界ラリー選手権(WRC)に参戦するために設計された最 ...
続きを見る
-
「フェラーリ初のベルトーネデザイン」「フェラーリ初のV8」モデル、ディーノ308GT4が競売に!ディーノが廃止される1ヶ月前に製造され、エンブレム類はフェラーリに
| このディーノ308GT4は、ある意味でその後の80年代のフェラーリデザインに影響を与えたように思われる | フェラーリの一つの歴史を表すクルマとしてコレクション価値は非常に高い フェラーリは196 ...
続きを見る