| おそらくベースは(ドアミラー等から判断して)ランボルギーニ・ウラカンだ |
もともとベルトーネはランボルギーニと関係が非常に深い
さて、イタリアにかつて存在し、その後2015年に消滅してしまったベルトーネ。
アルファロメオ ジュリア スプリント GT ヴェローチェ、ランボルギーニ・ミウラ / カウンタック、ランチア・ストラトス、シトロエンXMなど、数えきれないほどの名車を生み出した伝説のカロッツェリア(デザインハウス兼コーチビルダー)ですが、今回2人の兄弟によって蘇ることがアナウンスされ、公式インスタグラムアカウントを開設のうえ、ニューモデルのティーザー画像が公開されています。
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よく名前の出て来るベルトーネ。そのデザインや「なぜ消滅したのか」を考えてみる
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カロッツェリア・ベルトーネは2015年に消滅
ここで簡単にベルトーネの歴史を振り返ってみると、1912年にジョヴァンニ・ベルトーネによって創業され、第二次世界大戦後にヌッチオ・ベルトーネがコーチビルダーとデザインハウスに分割し、その後1960年代にはジョルジェット・ジウジアーロ、マルチェロ・ガンディーニといった実力派デザイナーを擁しつつ、ランボルギーニ・ミウラやカウンタック(一時はフェラーリまで)のデザインを行うなど最盛期を迎えますが、その後ジウジアーロやガンディーニが独立したこともあってベルトーネは没落してしまい、その結果として2008年に倒産することに。
ただしその後いったんは息を吹き返すも、2014年に破産宣告を行い、2015年には財産を処分することでその生涯を閉じてしまったという歴史を持っています。
なお、同じようなカロッツエリアであっても、1930年創業のピニンファリーナ、1968年創業のイタルデザインに比較してベルトーネの歴史は長く、しかしインドのマヒンドラに買収されたピニンファリーナ、フォルクスワーゲングループに吸収されたイタルデザインとは異なり、残念ながら「引き取り手がなかった」ということですね。
新生ベルトーネは「ドリームカー」を発表
今回の新しいベルトーネは、ジャン=フランクとマウロ・リッチ兄弟によって2020年に再始動されたとアナウンスされていますが、その経緯や権利の範囲については現時点ではナゾのまま。
ただし両名は自動車業界にて、エンジニア含め38年以上の経験があるとしており、「ベルトーネは、ランボルギーニ・ミウラやカウンタック、アルファロメオ・クーペ・ベルトーネといった伝説的なクルマをデザインしたことによって、自動車の歴史の中で正当な位置を確保しており、今日、新しく革命的な新章への道を作るため、ついに動き出す時が来たのです」とも。
そして今回インスタグラムに公開されているのが創業者であるヌッチオ・ベルトーネ、アルファロメオ・ジュリエッタ・スプリント、フィアット501スポーツ、カラーボの画像、そして「Bertone IS BACK」「110」「The Timeless Icon is Reborn」といった文字、さらには新しいスポーツカーの画像。
なお、「110」というのは当然ながらベルトーネ110周年記念を表しており、新しく発表されるスポーツカーはミドシップスーパーカーであること、そしてかつてのベルトーネによってデザインされたクルマ同様に「クラシックになる」と述べています。※”クラシック”には最高傑作、芸術作品という意味もある
なお、今回公開された新型スポーツカーのサイドには「>」という形状が見られますが、これはもちろんカラーボ(1968年)や・・・。
ストラトス・ゼロ(1970年)にも見られる意匠です。
そしてケン・オクヤマ氏が発表した「Kode 0(2017年)」はこのストラトス・ゼロを強く意識したことも明かされていますね。
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参考までに、ベルトーネ創業100周年記念の際には創業者の名を冠した「ヌッチオ」なるコンセプトカーが発表されているものの、こちらには「>」がなく、代わりにプレスラインによって「<」が表現されています。
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| ベルトーネ最後のオリジナルデザインとなるコンセプトカー | ベルトーネの100周年記念モデルとして2012年に発表された「ヌッチオ」。ベルトーネは1912年創業の名門で、1930年創業のピニン ...
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現時点ではこの「新型ベルトーネ」がどういったパワートレーンを搭載し、どういったスペックを持つのか、そして単なるコンセプトカーなのか実際に販売されるのか等わからないことばかりで、しかしぼくらにできるのは「続報を待つのみ」ということになりそうです。
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参照:Bertone(Instagram)