| 当時、このランチア037ラリーを自在に操っていたドライバーには脱帽である |
近年にしては比較的大きな事故ではあるが、死者がでなかったのは幸いである
さて、イタリアにて開催されたラリーイベントにて、もっとも象徴的なラリーカーの一台、「ランチア037ラリー」がスタート直後に観客へと突っ込み、12人が重軽傷を負ったというニュース。
動画を見るとバリアごと観客をなぎたおしており、これで死者が出なかったのは幸いといった状況ですが、報道によると女性1人が足を骨折して5人とともに病院に運ばれ、他の負傷者は全員この現場で治療を受けたとのこと。
現在、詳細については調査中
なお、このランチア037ラリーのドライバーは現在警察による取り調べを受けているといい、しかし今のところは何ら発表がない模様。
事故の原因としては、おそらく停止状態から思いっきりアクセルを踏んだことによって姿勢を乱したためだと思われ、これはよくある「料金所からの加速」「高速のパーキングエリアから出る時」に見られる自爆現象と同様であると思われます。
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ちなみにこのランチア037ラリーは「4WD」へと競技用車の主流が移行する前の最後の世代で、実際のところ「ミドシップ後輪駆動」では最後のタイトル獲得車。
ベースとなるのはランチア・モンテカルロですが、車体後半をカットして鋼管製スペースフレームへと換装し、そこへ2リッター直4スーパーチャージャーを押し込んだという構造を持っていて、設計はジャンパオロ・ダラーラが担当しています。
おそらくは非常にナーバスそしてトリッキーなクルマであったと考えられ、ミドシップ特有の「限界を超えた際の操縦の難しさ」というネガが顔を出したのが今回の事故であるとも考えられますが、当時このクルマを見事操って勝利を獲得したラリードライバーには脱帽ですね。
伝説のランチア 037ラリーがイベントにて群衆に突っ込んでしまう動画はこちら
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参照:Storie di Rally(Youtube)