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クルマのボディカラーはオーナーの性格を映す?レッド、イエロー、ホワイト、ブルー・・・。選んだ色に隠された心理とは

フェラーリ

| その人の持ち物はまさに「その人の代弁者」でもあるが |

「クルマの色」は性能よりも心理を映す

クルマの「ボディカラー」はエンジン性能や燃費、快適性には影響せず、しかし塗料メーカーのアクサルタ(Axalta)が行った調査によれば、88%のドライバーが「色」を購入決定の重要要素と回答しています。

とはいえ、「なぜその色を選ぶのか」を心理学的に説明するのは簡単ではなく、「グローバル・カー・カラー・レポート」によると、全世界規模で“カラーレス”な傾向が顕著となっており、ホワイト・ブラック・シルバーといった無彩色が依然として主流なのだそう。

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ビジネス目的で無難な色を選ぶ人もいれば、潜在意識の影響で特定の色に惹かれる人もいるとされ、たとえば、子どもの頃に好きだったおもちゃの色が「楽しい記憶」と結びつき、大人になっても同系色のクルマを選ぶというケースも。

つまり、クルマの色はユーザーの潜在的な内面を映す鏡とも言えるのかもしれません。

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加えて、近年では自分の好きな色よりも「リセールがいい」ボディカラーを選ぶ傾向が顕著だといい、国産車ディーラーにて聞いた話では、この数年になって「買う前から売る」ことを考える人が増えたとのことで、商談の場において「どの色が一番高く売れるのか」という話がかなり高い確率で、そして早い段階で出てくるようになった、とのこと。

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赤いクルマを選ぶ人の心理:情熱と冒険心

「赤い車はスピード違反で捕まりやすい」という噂を耳にしたことがあるかもしれませんが、しかし、実際に最も違反切符を切られているのは“白いクルマ”。

調査会社CJ Pony Partsによると、白が19%、赤が16%と、むしろ白のほうが多いもよう。

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それはともかくとして、レッドは古くから情熱、エネルギー、冒険心の象徴として知られ、フェラーリの「ロッソ・コルサ(Rosso Corsa)」のように、モータースポーツと深く結びついた色でもありますね。

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1990年代のフェラーリの実に85%がレッドに塗装されていたほどで、フェラーリの場合だと「レッドを選ぶ」のは個人の好みというよりはフェラーリへの忠誠心、あるいはリセールを気にしてのことなのかもしれませんが、一般的には「赤いクルマを選ぶ人は、自分を表現したい人・アクティブな人・情熱的な人が多い傾向にある」、と言われます。

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黄色いクルマを選ぶ人の心理:明るさと自己表現

イエローは視覚的なインパクトが強く、人々に幸福感や前向きさを与える色です。

そのため、スポーツカーやショーカーでは“注目を集めたいとき”に選ばれる色でもあり、クラシックカーでは、ダッジ「トップバナナ」やフォード「グラバーイエロー」が代表例。

そしてランボルギーニでは「ジャッロ・オリオン(Giallo Orion)」がブランドの象徴的カラーのひとつでもあり、ガヤルド以降、ランボルギーニは再びイエローを(多数取り揃えて)強調しています。

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黄色のクルマを選ぶ人は、個性的・社交的・ポジティブ志向。

さらに興味深いのは、iSeeCarsの調査で「黄色の車は最も高いリセールバリューを持つ」というデータもあることで、つまり楽観的でありながら経済的にも賢い選択であるといえるのかもしれません。

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緑のクルマを選ぶ人の心理:伝統・調和・自然愛

「ブリティッシュ・レーシング・グリーン(British Racing Green)」は、英国モータースポーツの伝統を象徴するカラー。

起源には諸説ありますが、1903年にアイルランドで行われたレースがきっかけといわれています。

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フェラーリ
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そして近年では「自然や調和を象徴し、平和志向や環境意識の高い人々に好まれるボディカラー」として人気が復活しており、濃いグリーンは「落ち着き・伝統・上品さ」を、淡いグリーンは「自由・反骨・冒険心」を表すことが多いとされます。※ポルシェでもしばらくグリーンが標準色から落とされていたが、近年になって復活している

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青いクルマを選ぶ人の心理:信頼・冷静・誠実

青は心理学的に「安心感・誠実さ・信頼」を表す色。

ビジネススーツや制服に青系が多いのもそのためですが、濃いブルー(ロイヤルブルー)は権威や安定、淡いブルー(スカイブルーやパウダーブルー)は創造性や柔軟性を象徴します。

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自動車の世界では、ガルフ・オイルのライトブルー×オレンジのレーシングリバリーが有名で、フォードGT40やマクラーレンF1などの名車たちがこのカラーリングをまとい、今でも「伝統とクールさの象徴」とされています。

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無彩色(白・黒・グレー・シルバー)を選ぶ人の心理

世界的塗料メーカーBASFによると、白・黒・灰・銀といった無彩色は“アクロマティックカラー”と呼ばれ、北米や日本では実に80%の車がこれらの色に塗られています。

  • ホワイト:清潔感、シンプルさ、合理主義。
  • ブラック:権威、上品さ、力強さ。
  • シルバー/グレー:控えめな洗練、プロフェッショナル志向。
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これらを選ぶ人は、派手さよりも落ち着き・実用性・信頼性を重視する傾向があるとされていますが、北米の販売データでは、
白(34%)・黒(22%)・グレー(10%)・シルバー(14%)がトップ4。

赤はわずか8%にとどまり、「アメリカ人はカラーデザインに関して退屈だ」というレポートもあるようですが、日本もこの例に漏れないのかもしれません。

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まとめ:ボディカラーは”オーナー自身の延長線上”

クルマの色は単なる好みではなく、そのオーナーの価値観・感情・社会的イメージを表現するもの。

その人の第一印象や日常の自己表現にも少なからず影響し、次に新しいクルマを選ぶとき、「なぜ自分はその色に惹かれるのか?」を少し考えてみると、自身の中の“もうひとつの自分”が見えてくるのかもしれませんね。

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参照:Jalopnik

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