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パガーニはいったん「EVはない」としながらも電動パワートレーンを諦めていなかった。「かつて私達はそれに熱中していました。そしてまだ終わりではありません」

パガーニはいったん「EVはない」としながらもエレクトリックパワートレーンを諦めていなかった。「かつて私達はそれに熱中していました。そしてまだ終わりではありません」

Image:Pagani Automobili

| ただしパガーニにエレクトリックパワートレーンが搭載されるのは「来たるべき時」となるようだ |

パガーニは「顧客が望むものを提供する」ことに集中し、「お仕着せ」はしない

さて、パガーニは2022年に「4年を通じEVの研究を重ねてきたが、ピュアエレクトリックパワートレーンでは”楽しいクルマ”を作れないことがわかった」としてガソリンエンジンに特化することに言及しています。

実際のところ、パガーニやケーニグセグのような少量生産自動車メーカーは「EUが定めた、2035年以降のガソリンエンジン搭載車販売禁止」の対象とはならず、よって無理に電動化する必要はなかったわけですが、この決定に胸をなでおろしているファンも多いかもしれません。

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ただしパガーニは「ピュアエレクトリックハイパーカーを諦めていない」

そこで今回報じられたのが、パガーニ創業者であるオラチオ・パガーニ氏の実子でありマーケティング ディレクターのクリストファー・パガーニ氏のコメントで、驚くべきことに「まだピュアエレクトリックパイパーカーの開発を続けている」。

少し前にはブガッティ・リマックCEO、メイト・リマック氏が「もはや富裕層はピュアエレクトリックハイパーカーを望んでおらず、単純な加速性能といった数字ではなく”他では得難い体験”を望んでいる」とコメントし、実際にV16という規格外のエンジンを搭載したトゥールビヨンを発表したばかり。

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私たちは電気自動車の開発に熱中していました。今もこのプロジェクトに取り組んでいます。私たちにとって、これで終わりではありません。

パガーニ オートモビリ マーケティング ディレクター クリストファー・パガーニ

これは驚きの事実であり、というのもパガーニは「ウトピア」にてV12エンジンをノンハイブリッドにて継続したばかりかマニュアル・トランスミッションを復活させ、さらには芸術性をも感じさせるレトロ路線へと転じ、速さよりも「ユニークな体験」へとシフトしているように思えるため。

ただしクリストファー・パガーニ氏のコメントにもかかわらず、すぐにパガーニがピュアエレクトリックハイパーカーを発売することはないようで、同氏はあわせて以下のようにも語っています。

世界中のディーラー ネットワークとの会議をすべて終えましたが、いずれもパガーニの”ピュアエレクトリック”ハイパーカーには関心がありませんでした。私たちは今でも、このピュアエレクトリックハイパーカーは楽しいクルマであり、作るのが楽しいプロジェクトだと考えています。
まず、私たちにとって、パフォーマンスの定義は車両のダイナミクスにあります。馬力の量ではありません。最高速度でもありません。パガーニが記録や数字を追い求めないのはそのためです。
我々はピュアエレクトリックスポーツの開発を続けますが、EV特有の「重量」という問題が解決されるまで、わたしたちの顧客はだれも(完全に)電動化された、ありきたりの印象しか与えないクルマには乗りたがらないでしょう。

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さらにクリストファー・パガーニ氏は、このピュアエレクトリックハイパーカーにつき、走行可能なプロトタイプは一度も製造されておらず、これまでの開発はすべて仮想領域で行われてきたことを認めていますが、これはパガーニがEV技術に過剰な理想を抱いておらず、冷静に自社のポジションそして顧客が求めるものを把握しているという事実を意味しているのかもしれません。

私たちは常に革新者であろうと努めてきました。ゾンダは複合材料の使用において多くの革新を備えたクルマであり、これは過去の自動車業界ではなかったものでした。ウアイラは最初のツインターボハイパーカーだったので、私たちは再びAMGと協力して、存在しなかったものを開発しました。そしてウトピアは私たちにマニュアルギアボックスへと戻る機会を与えてくれました。

      なお、このマニュアル・ギアボックスについては「その高出力 / 高トルクゆえ」これを採用することは非常に困難であったことについても触れていますが、同氏は「それがなければ、パガーニの顧客は減っていただろう」とも。

      基本的、パガーニは市場の状況を監視し続け、大衆市場の要求ではなく、顧客が望むものだけを提供することを目指しており、将来のパワートレインに関しては、いつかはEVになるかもしれないものの、それは技術がはるかに軽量になり、かつ顧客が望む場合に限られると考えてよく、そしていつその時が来てもいいよう、パガーニとしては研究開発を続けているのかもしれません。

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      参照:CARBUZZ

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