| なにもかも環境規制のせいだった |
Autocar India報じたところによると、欧州にて、スズキ・ジムニーが「販売終了」になるとのこと。
これは多くの自動車メーカーが抱える問題同様に「CO2排出規制」に関わるもので、現在のジムニーは「高いレベルのCO2を排出する」ためにスズキ全体のCO2排出平均値を引き上げてしまうため。※欧州に導入されているジムニーは、日本での「ジムニーシエラ」
そしてスズキ全体のCO2排出平均が上がってしまうと、スズキは多額の罰金を支払う必要が生じることになり、スズキはこれを「なんとかしたい」のだと思われます。
なお、欧州ではマツダ・ロードスター/ロードスターRFともに1.5/2.0リッターエンジンを選択できますが、2リッターエンジン版のCO2排出量が高く、よってマツダは2リッターエンジン搭載モデルの販売を抑制してマツダ全体のCO2排出平均を下げる予定である、とも報道されていますね。
どうなるスズキ・ジムニー
上記の理由にて、2020年限りで現在販売されているスズキ・ジムニーが「カタログ落ち」することになりそうですが、同メディアでは「2021年モデルとして、商用バージョンへと変貌を遂げジムニーが復活する」とも。
その理由としては「商用車扱いであれば、乗用車よりも規制がユルい」ためであり、2021年モデルのジムニーは商用車としての認証を受けるためにリアシートが取り外されたりと「貨物用」としての改装がなされる模様。
加えてスズキは「乗用車」としても販売できるよう、異なるエンジンを搭載したジムニーを計画中だと報じられていますが、こちらについては具体的な発売時期などは未定、とのこと。
ジムニー「売れすぎ」はスズキの誤算
なお、新型ジムニーは日本だけではなく欧州でも高い評価、そして高い人気を誇るものの、スズキはジムニーのモデルチェンジに際して「ここまで売れる」とは考えていなかったようで、当初は「先代ジムニーのオーナーが買い換えるくらいにとどまり、新規ユーザーはさほどいないだろう」という想定であった、と言われます。
ですが蓋を開けると一般ユーザーを巻き込んでの「まさかの大ヒット」となり、とくに欧州では「思ったよりも販売台数が伸びてしまった」ためにスズキ全体のCO2排出量を増加させてしまったのでしょうね。
ちなみに新型ジムニーが登場した際の市場の反応は「あまり先代と変わっていない」。
主にはラダーフレーム、4WDシステム、トランスミッションなどを指しているわけですが、これは上述の通り、スズキは「ジムニーの一般受けを想定していなかった」ため、そして実需を重視して”あえて”変えなかった部分。
もちろんその「変えなかった」ところが高く評価され、より安価に車両を提供することが可能となったわけですが、かねてよりものアウトドアブームもあって、本格オフローダーのジムニーが一般層に幅広く受け入れられた、というのが現在の状況だと思われます。
もし、新型ジムニーが一般受けを狙って「燃費重視」にて開発され、新型エンジンや新型トランスミッション、ハイブリッドを搭載していれば現在の価格よりも遥かに高い設定になっていたであろうことは想像に難くなく、そうなれば、もちろん現在のようなヒットに結びつかなかったかもしれず、こういった例を見ても、いかに自動車開発が難しいかをうかがい知ることができます。
なお、ジムニーの環境性能つまり燃費ですが、日本のスズキのサイトによると、軽規格の「ジムニー」だとリッター132.~16.2km/h。
もちろんこれはスズキのラインナップ中もっとも劣る数字であり、ハスラーの20.8~25.0km/h、もっとも燃費に優れるラパンの27.4~35.6km/hと比較するとかなりの開きがあります。
乗用車規格の「ジムニーシエラ」だと燃費は13.6~15.0km/hで、こちらもSX4 S-CROSSの15.2~16.2km/hはもちろん、スズキの乗用車でもっとも優れるイグニスの25.4~28.8km/hとは相当な差がありますね。
VIA: Autocar India