| ヤリスと名がつくもののそのルックスはヤリスとはまったく異なる |
トヨタがかねてより予告していた新型クロスオーバーを発表。
もともとこのクロスオーバーはヤリスをベースにすると言われており、しかしデザインはヤリスとは異なるものを採用すると言われていたことから「名称はヤリス以外になるのでは」と言われていたものの、実際の名称は「ヤリスクロス(Yaris Cross)」。
トヨタはヤリスのプレゼンスを高めるために日本での名称もヴィッツからヤリスに改めていますが、「ヤリス」シリーズとしての存在感を世界中にて高めたいと考え、そのために(異なるデザインを持っていたとしても)ヤリスの名をこのクルマに与えてきたのかもしれません。
ボディサイズはC-HRとライズとの中間
このヤリスクロスは「C-HRの下」に位置し、ボディサイズは全長4,180ミリ、全幅1,765ミリ、全高1,560ミリ。
C-HRのサイズは全長4,390ミリ、全幅1,790ミリ、全高1,550なので、ヤリスクロスは「かなり小さな」クルマということになりますが、さすがにライズの3,995ミリ×1,695ミリ×1,620よりは全長/全幅ともにやや大きいようですね。
プラットフォームはトヨタ自慢のTNGA、そしてコンパクトカー向けのGA-B。
フロントはこれまでのトヨタのいずれのクルマとは異なる「新しい顔」。
サイドのグラフィックも新しく、これらによって「トヨタらしくない」雰囲気も感じられますね。
このヤリスクロスの製造について、欧州向け車両はフランスのヴァランシエンヌ工場、日本向けはトヨタ自動車東日本株式会社にて生産。
欧州では、SUVといえどもワイルドなルックスよりも洗練されたデザインが好まれると言われ、そのためアウディQ2やルノー・キャプチャー、シトロエンC3エアクロスといったスマートなックロスオーバーが人気と言われます。
よってトヨタはこのヤリスクロスにて「都市生活者を対象としたオシャレSUV」市場に参入したということになり、オフィシャルフォトに採用されるボディカラーは都会的な印象がある「ブラスゴールド」。
そして都会派SUVらしく、ホイールは18インチまでの選択肢がある、とのこと。
欧州向けヤリスクロスに搭載されるエンジンは116馬力仕様の1.5リッター3気筒だとアナウンスされていますが、おそらくは日本仕様のヤリスに積まれるエンジンと同一と思われます(日本仕様のヤリスクロスのエンジン出力は公表されていない。”直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン”とだけ)。
日本向けのヤリスクロスの駆動方式にはFFと4WDが用意され、それぞれについてFFと4WDがラインアップされることになり、これはヤリス同様ですね。
ただし欧州向けだとFFはガソリンエンジンのみ、4WDはハイブリッドのみ。
こちらのハイブリッドシステムもおそらくE-Fourとなり、しかし普段はFF、そして滑りやすい状況でのみ後輪の(モーターによる)アシストが入るとされているので、制御ロジックは日本向けのE-Fourとはちょっと異なるのかも。
なお、欧州ではコンパクトクロスオーバーに「4WD」を用意する例は珍しいといい(たしかにプジョーやシトロエンのコンパクトSUVもFFしかない)、ここが欧州におけるヤリスクロスのアドバンテージになると見られています。
現段階ではヤリスクロスの価格やグレード構成については発表されておらず、しかしトヨタは年間で150,000台の販売を計画しているといい、つまりは「主力商品」に育てたいという意向を持っているようですね。
発売時期については日本だと2020年秋、欧州では2021年半ばを予定している、とのこと。
なお、インテリアにいついては外観ほどヤリスとの差異はなく、ステアリングホイールやインフォテイメントシステム、エアコン操作パネルなどはヤリスと同様。
ダッシュボードやセンターコンソール形状はややヤリスと異なるものの、共通性が見られるようです。
トヨタによると、エクステリアデザインについては“ロバスト”(頑強さ)、インテリアデザインについては”ワンクラス上の質感と居心地の良さ”を表現したとのこと。
また一台、発売が楽しみなクルマが増えたということになりますね。
VIA:Toyota