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トヨタ カローラクロス「”ナス”エディション」がトヨタ公式カスタム車両として登場。市販されれば大変な人気となりそうだ

トヨタ カローラクロス「”ナス”エディション」がトヨタ公式カスタム車両として登場。市販されれば人気化しそう

Image:Toyota

| このカローラクロス「ナス」エディションは残念ながらSEMAショー向けの「ワンオフモデル」にとどまっている |


1. 序論:日常車からアドベンチャービークルへの変貌

トヨタがSEMAショーへ向け、日常の「食料品の買い物」から日本の「山岳アドベンチャー」までを可能にする「カローラクロス ハイブリッド”ナス”エディション」なる大胆なワンオフコンセプトを発表。

このコンセプトは日本のハイキングや温泉で知られる「那須」にインスパイアされており、さらには野菜のナスの色に合わせたパープルのラッピングが施されています。

重要なのは、これが単なる外観のカスタマイズのみに留まらず、トヨタのService Parts and Accessories Development(SPAD)チームが総力をあげ、「いかにコンパクトクロスオーバーの潜在能力を引き出せるか」を示した”モジュラー開発のショーケース”となっている点です。

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2. エンジニアリング:オフロード性能を担保する改変の深層

那須エディションの最も大きな技術的変更点は、その足回りとボディアーマーに集中しており、以下のような特徴を持っています。

2.1. 足回りの機能的アップグレード

  • リフトアップ・サスペンションの組み込み:車高を上げるためのサスペンションリフトキットが組み込まれ、これによって最低地上高が確保されて悪路走破性が大幅に向上。TNGAプラットフォームの高い剛性を活かしつつ、リフトアップによる操縦安定性の低下を最小限に抑えるチューニングが施されることに
  • 本格的なオールテレーンタイヤ:シューズはToyo Open Country A/T IIIオールテレーンタイヤに交換され、これは舗装路での快適性と、未舗装路や泥濘路でのトラクション性能を両立させることが可能な本格オフロードタイヤであり、コンセプトの「アドベンチャー」志向を物理的に実現するパーツ
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2.2. ボディキットと実用装備による危機管理能力の向上

コンセプトのカスタムボディキットは、単なるデザインではなく、オフロードでの実用性を高めるために設計されています。

  • 機能的なボディアーマーワイドフェンダーエクステンションは、大径タイヤの装着と、飛び石や泥跳ねからボディを保護する役割を果たし、ロックレール(ロックスライダー)や専用スキッドプレートは低速の岩場走行などで車体下部の損傷を防ぐための不可欠な防御装備として機能。「ドレスアップ」よりも極限の環境下で使用される車両の耐久性向上に直結する設計思想を持っている
  • 電源供給と積載能力:那須ブランドのルーフラックと車内後部に追加されたロック可能な引き出し式カーゴシステム、そしてJBL Bluetoothスピーカー、さらにはポータブル冷蔵庫を搭載し、オフグリッド環境下での滞在・活動能力を高めることが可能に。ハイブリッド車が持つAC100V電源の活用(リリース外の情報として一般的にハイブリッド車に装備される機能)も含め、緊急時の電源確保と長時間の待機能力の向上という点で危機管理用途への応用可能性を示唆している
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3. パワートレイン戦略:ハイブリッドシステムの維持が示す信頼性

那須エディションはそのワイルドな外観にもかかわらず、ボンネット下のパワートレインは標準の2.0リッターハイブリッドシステム(システム最高出力196 hp)とE-Four(電動四輪駆動)システムを維持。

むしろパワートレインに手を加えないことで、「日常的に信頼性の高い量産ハイブリッド技術」が”足回りのアップグレードだけで本格的なオフロード・ユースにも対応可能”であることを示しているように思えますが、これは、燃費と環境性能を犠牲にすることなく、レクリエーション用途を拡張できるという、ハイブリッドシステムの高い汎用性と信頼性を裏付ける事象なのかもしれません。

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4. 結論:SPADチームが解き放つモジュラー戦略の未来

このワンオフコンセプトは、トヨタのSPADチームがCAD設計、3Dプリンティング、CNC加工などを駆使して開発したもので、SPADチームの活動は、標準車両の設計が、いかにアフターマーケットや純正アクセサリーによるモジュラーな拡張性を考慮して構築されているかを示すために作られたのだそう。

これは、「将来的にユーザーが、必要に応じて車両の基本構造を損なうことなく、これらのオフロード装備を純正部品として容易に組み込むことが可能となる」道筋を示唆していますが、「カローラクロス」という最も普及した車種の一つを通じ、トヨタの冒険心とカスタマイズ性を広げるという”マーケティングとエンジニアリングの明確な戦略を視覚化したクルマ”と呼べる存在なのかもしれません。

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