| BYDはその価格だけではなく、マーケティング戦略においても他社に先んじているようだ |
今後、この仰望ブランドはひとつの「台風の目」となるのかも
さて、中国BYDが展開する高級EVブランド「仰望(YangWang/ヤンワン)」より第一号車、「U8」が発売に。
ヤンワンブランドからはすでに1,000馬力オーバーの「ダンスができる」ハイパーカーU9、そして「世界でもっとも空気抵抗値が低い」U6が発表されていますが、U8では「1,196馬力、タンクターン可能、水上航行にも対応」といった特徴があり、ヤンワン各モデルはいずれも”わかりやすい”特徴を持っていると考えることができ、なかなかに面白いマーケティングを行っているように思います。
ちなみにその価格は中国国内で108万9000元(現在の為替レートだと日本円で2200万円くらい)に設定されていて、つまりはかなり高価なクルマである、ということになりますね。
Yang Wang(ヤンワン) U8はこんなクルマ
そこでこのYang Wang(ヤンワン) U8を見てみたいと思いますが、これはメルセデス・ベンツGクラスやトヨタ・ランドクルーザー同様に「ボディオンフレーム」構造を採用するオフローダー。
4輪に1つづつのエレクトリックモーターを備えて1,196馬力を発生するというEVですが、この大きな車体、驚愕の出力によって食われてしまう電力を補うため、2リッター・ターボエンジンを使用したレンジエクステンダー(発電機)を備えています。
スタイルとしてはランドローバー・ディフェンダーを連想させるもので、ホイールサイズは20インチもしくは22インチ。
空気抵抗を低減するために「ツルっとした」ボディ表面を持ち、フラッシュマウント・ドアハンドル、ヘッドライトと一体化したグリルなどが外観上のハイライトかと思われます。
なお、この大きさにもかかわらず0-100km/h加速は3.6秒、バッテリーの充電にかかる時間は(30%から80%までで)わずか18分。
このほかの機能・性能だと「タイヤブローアウトスタビライゼーション」、地上高を150mm上げることができるサスペンションなどが挙げられ、上位モデルのU8プレミアムエディションだと3つのLiDARユニット、5つのミリ波レーダー、14の超音波センサー、16のカメラを含む38のセンサーが搭載されているとアナウンスされていますが、これにより、アダプティブ・クルーズ・コントロール、オートマチック・パーキング・アシスト、オートメーテッド・バレー・パーキングを実現することに。
加えてハイウェイ・ドライビング・アシストとシティ・ナビゲーション・オートパイロットが”将来の無線アップデートによって”利用可能になるともアナウンスされています。
Yang Wang(ヤンワン) U8のインテリアはこうなっている
Yang Wang(ヤンワン) U8のインテリアはメルセデス・ベンツGクラス、ランドローバー・ディフェンダーが持つ「オフローダーっぽさ」が感じられず、あくまでも高級感を追求したという印象。
なお、ダッシュボード上の「3つの」エアコン吹き出し口は、エクステリアに採用される「ルーフ上の3つのセンサー」に呼応したデザインを持っています。
BYDによると、室内には運転席と助手席用に23.6インチのディスプレイが設置され、さらには縦向きの12.8インチ・インフォテインメント・システムが追加され、デュアルスクリーン構成を持つリア・エンターテインメント・システムや、2列目のアームレストに組み込まれたディスプレイも確認可能。
最上位グレードの「U8プレミアムエディション」にはナッパレザーシートとサペレウッドトリムが採用され、3つの高速ワイヤレス・スマートフォン・チャージャー、スターライト・サンルーフ、22スピーカーのプレミアム・オーディオ・システムが装備されるほか、70インチのAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイ、”10点マトリックス・ホットストーン・マッサージ”機能付きシート、フレグランスディフューザー、車両停止後12時間稼働が可能な冷蔵庫といった装備がアナウンスされており、中国の富裕層の購買意欲を刺激することになりそうですね。
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