| シャオミは「ローリスク・ハイリターン」な優れたEV開発戦略を取っている |
他社から技術を購入し、高い自社ブランドの知名度を活用して多くの消費者にアピールすることに成功
さて、シャオミはつい昨日「初の」EVとなるSU7を発表したところですが、すでに「2番目の」モデルが控えているもよう。
シャオミは年間生産台数1,000万台を達成して世界の自動車メーカーのトップ5に入るという野望を持っていますが、これを達成するためにラインナップを拡大する計画を持っており、2番目のモデルは「ピュアエレクトリックパワートレーンに加え、レンジエクステンダーを選択できる」EVとEREVになる、と報じられています。
なお、最初のモデルであるSU7は明らかにテスラ・モデル3を意識したもので、よって第二のシャオミもまたテスラ・モデルYを狙い撃ちしたEVになると見られているようですね。
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シャオミは「豊富な開発リソース」を誇る
なお、シャオミは御存知の通りスマートフォンメーカーであり、よって自動車は「専門外」。
よってゼロからEVを開発していてはそのコストや開発時間が膨大なものとなることは間違いなく、そこでシャオミCEOである雷軍氏は完全自社開発ではなく他社との協業を選んでおり、これによって「コスト削減」「開発速度の向上」を実現したわけですね。
シャオミに協力しているのは中国のEVメーカー3社(Nio、Xpeng、Li Auto)ですが、上述のEREVに使用されるプラットフォームははLi Autoが開発したもので、シャオミはその目的達成のために常に最適な手段を選択すると考えてよく、今後も高い競争力を発揮するEVブランドとして君臨することになりそうです。
Premium ride quality isn't just about power. It's also important how quickly that power responds.#XiaomiSU7 #XiaomiEVLaunch #DrivingForward pic.twitter.com/Y6InlbBbRv
— Xiaomi (@Xiaomi) March 28, 2024
現在中国のEV市場は戦国時代にあり、各社とも生き残りをかけて熾烈な競争の真っ只中にあるものの、Li Autoはこの中でもちょっと変わった立ち位置を持っており、多くのライバルのようにセダンを発売せずラインナップは「SUVのみ」、そしてすべてがEREV(レンジエクステンダーEV)。※Li Autoは過密となったセダン市場を避け、うまく展開を行っている
ただしこの強みが評価されて2023年位は40万台近くを販売し、2024年には80万台規模にまで成長すると見られていますが、EREV自体が現在の中国において非常に人気があるといい、実際にYangWang U8、Fang Cheng Bao Bao 5、Li 9、Aito M9などのEREVは発売から3か月でいずれも60,000台以上の受注を獲得していて、シャオミもこういった市場動向を把握したうえでの「第二のモデルの投入」となるものと思われます。
さらには「各社の技術の美味しいとこ取り」が可能な立場にもあり、後発ながらも今後シャオミの存在感が「非常に」強くなる可能性もありそうですね。
#XiaomiSU7 Max lets you drive back onto the road with an incredible 510 kilometers of range in just 15 minutes of charging.
— Xiaomi (@Xiaomi) March 28, 2024
Even the standard SU7 isn't far behind, offering a 350-kilometer range boost in the same timeframe. #XiaomiEVLaunch #DrivingForward pic.twitter.com/9XkDfBKazH
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