
Image:Xpeng
| 今後の中国車では「生き残り」を考えた場合に”脱トレンド”が必要となりそうだ |
シャオペンXpeng会長が示すハイパフォーマンスEVクーペの未来像とは
さて、中国の新興EVメーカーの雄、シャオペン(Xpeng Motors / 小鵬汽車)の会長、何小鵬(He Xiaopeng)氏が本日次世代EVセダン「E29」の存在を正式に予告。
「これは単なるアップデートではない。未来を前倒しで届けるのだ。」
このE29は現在の主力セダン「P7」の後継モデルとして開発されており、2025年後半(第3四半期)に正式に発表される予定です。
デザインはP7+ベースの進化形、よりスポーティな4ドアクーペへ
E29の開発責任者は、P7のデザイナーでもあるラフィク・フェラグ(Rafik Ferrag)氏。
2018年からXpengに在籍しており、自身のInstagramでもE29のシルエットを公開しています。
- 空力に優れたファストバッククーペスタイル
- フルワイドのリアライト+新型ライトシグネチャー
- フラッシュドアハンドルとフレームレスミラー
- 格納式リアスポイラー搭載
Image:Xpeng
E29は、2024年に登場した「P7+」に似たフロント・リアデザインを採用しながらも、より洗練された空力フォルムが与えられていますが、抑揚の効いた流線型スタイル、そして何よりもランボルギーニ・レヴエルトのような「横方向のY型」ライトシグニチャーが視覚上の特徴です。※最近発表されたホンダのEVも同じようなデイタイムランニングランプを持っているので、このスタイルが「今の中国の流行り」なのかも
なお、中国でこれまでに人気があった「室内スペースの広さを感じさせるセダン」スタイルから流麗な「クーペ」へと変貌を遂げており、シャオペンとしてはこの新しいスタイルをもって「差別化」を図りたいのだと思われます。
インテリアには大型ディスプレイ&新世代UI搭載か
正式な内装画像はまだ公開されていませんが、スパイショットからは以下の仕様が予想され、AR(拡張現実)によるヘッドアップディスプレイ(AR HUD)の搭載も検討されているようですね。
- 大型のセンタータッチスクリーン
- 3スポークステアリングホイール(円形コントローラー付き)
- パープルレザーの内装オプション
- 次世代インフォテイメント「Xmart OS 2.0」採用予定
新世代AI&カメラベースADASを採用へ
E29では、Xpengの独自AIチップ「Turing(チューリング)」を搭載した、カメラベースの先進運転支援システム(ADAS)が採用される可能性が高いとされ、これは従来の一部モデルに採用されていたLiDAR(レーザーセンサー)に代わる選択肢であり、よりコスト効率の高い次世代システムとして注目されています。
Image:Xpeng
電動パワートレインと新「Kunpengプラットフォーム」
パワートレインの詳細はまだ非公開ではあるものの、E29は引き続きフルEVモデルとして設計され、新世代EVアーキテクチャ「Kunpeng(鯤鵬)プラットフォーム」を初搭載する可能性が高く、これまでのシャオペンのいずれのモデルの出力そしてパフォーマンスを凌駕するものと見られているようですね。
参考までに、2025年2月、シャオペン「P7 Ultra」という名称の商標申請を行っており、今回のE29の市販バージョンに採用される可能性が大。
プロトタイプはすでにカモフラージュ姿で公道テストを実施中であり、シャオペンのCEO自身がテストドライブする様子も目撃されています。
We are so grateful to our first-generation #XPENGP7 owners, a group of tech-savvy pioneers dedicated to shaping the future of mobility.
— Xiaopeng He (@xiaopenghexpeng) May 16, 2025
Their passion for innovation inspires us to push the boundaries of design, bridging the gap between today and tomorrow, turning exploration… pic.twitter.com/jGMBsbEiaM
【まとめ】シャオペン(Xpeng)の本気が詰まった次世代EV、2025年に登場へ
- P7後継となる次世代EV「E29」が2025年第3四半期にデビュー予定
スポーティな4ドアクーペデザインに刷新
AR HUDやXmart OS 2.0、Turing AI搭載ADASなど新技術多数 - 新型プラットフォームによる航続性能・走行性能の大幅強化も期待
今後の正式発表に向けデザインやスペックの続報に注目が集まりますが、EVセグメントの競争が激化する中、E29がどれだけ市場で存在感を示せるかが「シャオペン生き残りの」大きな鍵となりそうですね。
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参照:Xpeng Motors