| ただし「意外」と思うのはボクらだけで、リマックCEOの中では「ずっと前から計画していたこと」であるようだ |
そしてリマックだけに「想像の上を行く」様々な機能を持っているものと思われる
さて、リマックがエレクトリックハイパーカー「ネヴェーラ」に次ぐ、第二の量産モデルに関するティーザー動画を公開。
これは同社CEO、メイト・リマック氏のインスタグラムに投稿されたもので、その内容を見るにどうやら小型のアーバンモビリティとなるもよう。
なお、この小型車の発表は6月26日に行われる予定となっていますが、これまでにも「5年の歳月をかけてロボタクシーを開発してきた」というコメントがなされており、ついにそれが実現するということになりそうです。
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なぜリマックが「マスモビリティ」を?
リマックといえば「コンセプト・ワン」「ネヴェーラ」といったハイパーカー的印象が強い(というかそれしかない)会社であり、よってこういったマスモビリティを発売するというのは非常に意外。
そしてこれが実現すれば、生産台数的にも、価格的にも、性能的にも、そしてキャラクター的にもネヴェーラとは正反対となり、つまりリマックは”世界でもっとも”両極端な2つのクルマを販売する自動車メーカーということになりそうです。
ただ、こういった例は過去にもあって、たとえばマクラーレンF1を手掛けたゴードン・マレー氏は超コンパクトな都市型モビリティ「シティカー」を手掛けており、BMWにて数々の画期的なクルマをデザインしてきたクリス・バングル氏もまた(マイクロに近い)コンパクトカープロジェクトに関わることに。
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さらには「ニュルブルクリンク最速」を標榜したハイパーカー、EP9を発表したNIOはその後ファミリーカーの製造販売に専念していて、世の中にはいくつか「極端なクルマを手掛けるデザイナーや自動車メーカー」が存在するわけですね。
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そしてそれらの意図もまた様々で、「単に(いろいろな方面で)クルマとしての効率を追求してみた」「他ができないことをやってみた」「名前を売るためにだけハイパーカーを開発し、実際にはファミリーカーを売ってビジネスを拡大したかった」などそれぞれの思惑があるかと考えられ、しかしリマックの考えるところは(まだ正式発表前なので)ちょっとナゾ。
その名は「プロジェクト 3 モビリティ」
なお、この新型車は「プロジェクト 3 モビリティ」と名付けられており、外観はZoox、Canoo、クルーズなど他の(ロボタクシーを展開する)企業が提案する”トースター型の”車体形状とは大きく異なり、トヨタ・ヤリスのようなハッチバック形状を持つもよう(キア、そしてヒョンデとの協業によって誕生したとも言われている)。
これは「プロジェクト 3 モビリティ」と呼ばれ、リマックは以前に「安全性と快適性を中心に設計されたまったく新しいプラットフォームに基づいて構築された革新的な車両」とこれについて述べ、インフォテインメント機能はスマートフォンのアプリを通じて制御可能になる画期的なものだ、とも。
メイト・リマック氏は2021年の時点で「人々は私たちをハイパーカー会社だとみなしているが、他にも多くのことを準備しており、長期的な見通しを持っています。新しいモビリティは社会に大きな変化をもたらすと思います。 電話が電話業界を変えただけではないのと同じです。 アップルはノキアを破壊しただけでなく、私たちの生活を変えました。 次に起こる大きな変化はモビリティだ考えています」と述べたことがあり、今思えばずっと前からこの準備を行っていたと考えてよく、さらに「少量生産のハイパーカーの開発・生産のためだけには不釣り合いなほど大きい」社屋や工場の建設意図はここにあったのかもしれません。
なお、リマックの株式の24%はポルシェが保有しており、そしてポルシェは「将来的に、人々が所有するクルマの数が減ったりゼロになったりする」未来を想像しており、ゆくゆくはポルシェを人々が必要としなくなる、とも。
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よって、そういった状況においてもポルシェという会社を存続させるべく様々なビジネスを展開していますが、この「ロボタクシー」もそのうちのひとつであるとも考えられます。
実際のところ、プロジェクト3 モビリティは、すでに5つの都市とロボタクシーを運行する契約を結んでいると報じられ、世界中のさらに35の都市と交渉中だとされるので、このプロジェクトが進行したならば、リマックそしてポルシェにとっての大きな「柱」となるのかもしれませんね。
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参照:materimac