Image:Verne
| 実際のロボタクシーサービスの開始は2026年から、車両は完全自動運転を前提に設計される |
現時点ではその実現可能性は「未知数」である
さて、メイト・リマック氏は誰よりも早く電動ハイパーカーに着目し、実際に「コンセプト・ワン」「ネヴェーラ」を発売した人物ですが、そのあらたなるプロジェクトは(予告された通り)ロボタクシー。
そして今回、2026年に立ち上げる新しいロボタクシー会社、「Verne(ヴェルヌ)」の概要、そしてロボタクシーを公開しています。※リマック名義ではなく別会社として展開するようだ
なお、この「ヴェルヌ」という社名(車名)につき、「海底二万里」「八十日間世界一周」「月世界旅行」の著者として知られるジュール・ヴェルヌにちなんで命名されており、メイト・リマック氏は「まもなく、ヴェルヌがあなたを新しい旅(身近な食料品店)に連れて行ってくれるでしょう」とコメントしています。
ロボタクシー「ヴェルヌ」はこういった展開を予定している
そこでこのヴェルヌを用いた展開について触れてみたいと思いますが、車両としてのヴェルヌはレベル4の自動運転機能(車両がすべての運転タスクを自律して行う)を備え、「より多くの顧客が”より深い快適さと所有感”を育むことを期待し、乗客が自律走行車内での体験をコントロールできるように」配慮されています。
そしてこの”体験のコントロール”については「車両の温度、音、照明、快適さのレベル、香りを設定できる配車アプリ」を中心に行うことになり、これによって(街を走る)どのヴェルヌに乗ったとしても前回と同じ車内設定を再現できるのだそう。
このヴェルヌはウエッジシェイプに広いグラスエリアを持ちますが、この形状はキャビンファーストによって設計され、広報資料によれば「ロールスロイスよりも足元が広い」。
座席は2つのみで、タクシーとしては不十分であるように思えるものの、同社の調査によれば「タクシー乗車の90%が1人か2人であることがわかったため」。※ただし荷物を載せるためのトランクスペースも用意される
なお、ダッシュボードに設置されるディスプレイは43インチという大画面。
ステアリングホイールやアクセルペダル、ブレーキペダルは存在しないものの、左右シート間には物理スイッチが存在し、これによって車両の発進や停止などの操作を行うことができるのだそう。
車両としてのヴェルヌは自動運転かつロボタクシー「のみ」での使用を前提に設計されており、車両にビルトインされたカメラ、レーダー、LIDAR システム、(カメラやセンサー、ウインドウの)清掃メカニズムが内蔵されています。
なお、ワイパーやサイドミラーなど、通常の車両にあるべき装備が省略されており、非常にシンプルな外観を持っていますが、内外装含め「日常的な使用や誤用を想定して設計された素材で製造される」とのこと。
なお、ヴェルヌにとって重要なのは「マザーシップ」と呼ばれるメンテナンス拠点。
ここでは充電、検査、清掃といった日常のメンテナンスが実施され、これによって乗客(利用客)は安全な車に乗っているという安心感を得られるわけですね。
このヴェルヌは2026年に(メイト・リマック氏の祖国である)クロアチアの首都ザグレブで最初にサービスが展開され、その後イギリス、ドイツ、中東へと拡大する予定なのだそう。
その後にも世界規模にてロボタクシー業務を拡大する計画を持っているといい、同社はすでにクロアチアへと最初の生産施設を建設中であることもアナウンスされています。
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参照:Verne