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トヨタとマツダが共同にて米国工場建設。次期アクセラは両社共同開発、FRというウワサも

2018/01/17

| 日産、ホンダに劣る海外生産比率を引き上げ |

マツダとトヨタは戦略的業務提携を行っていますが、今回米国アラバマ州に共同にて工場を建設、と発表(トヨタからのプレスリリースはこちら)。
その投資額は16億ドル、とされています。
現在アメリカは中国に次ぐ世界第二位の市場であり、ここで生産を行うことは輸送コストや関税、為替リスクなどを回避できるという意味合いがあり、そのぶんアメリカ国内で車を安く販売できるので「競争力が高くなる」ということを意味します。

トヨタとマツダの提携は思ったよりも両者の運命を大きく変える

ただ、今回ぼくがここで考えるのは「トヨタとマツダの今後」。
両者は今後、より関係を強化するものと思われますが、お互い「持っていないもの」を持っているわけですね。
ぼくのイメージだとこんな感じ。

トヨタにあってマツダにないもの
・ハイブリッド
・資金
・規模
マツダにあってトヨタにないもの
・スポーツカーイメージ
・ロータリーエンジン
・車体制御/エンジン開発技術

「車体制御/エンジン開発技術」についてはもちろんトヨタも持っているものの、マツダのほうが車種が少ないぶん「特化/先鋭化」している、とも言えます。
プラットフォームも同様ですが、トヨタはその数が多くなりすぎ、そして車種あたりの販売が下がってきている現状を考えると、「すべての車種に」等しくコストをかけてゆくことは不可能。

現在、自動車市場はあまりに競争が過酷

現在の自動車市場の傾向として、消費者の好みが多様化しており、一方ではその好みがジャンルごとにさらに深化。
よってメーカーはより多くのラインアップを持つことが好ましく、しかしハイブリッド/EV関連技術やスポーツカーなど各ジャンルにおいては高いレベルが求められるわけですね。

種類を多く持たないといけないのに、ひとつひとつでは最高レベルのものが求められる状況にあり、そして各カテゴリにおいては「それぞれの分野に特化」したメーカーがあるので、それらに打ち勝つのは並大抵のことではありません。
スバルやマツダだと今からハイブリッド関連技術を研究するのはコストが掛かりすぎ、であれば「それを持っているところから買ったほうが安い」場合も。

そこで出てくるのが「共同開発」で、トヨタだと「スバルと共同で開発した86」「BMWと共同で開発しているスープラ」が有名。
全体としては規模が大きく、高い販売力を誇るトヨタであっても「スポーツカー」というカテゴリだとそのシェアは高くなく、よってそこに資金や人材を投じるのにはリスクがある、ということですね。

よって、そのリスクを最小限に抑えるために共同開発を行っているということになりますが、たとえばトヨタもBMWも大きな会社ではあるものの、「Z4」「スープラ」単体で見たとき、「ポルシェ・ボクスター/ケイマン」に比較するとその販売規模は小さく、ということは開発コストが「割高」になり、結果として車体価格も高くなって売れない→ポルシェに勝てない、というスパイラルに突入。

ですが「Z4+スープラ」だと販売規模が「単体」で見たときより大きくなるので「開発コストを抑えることが可能」に。
これをもって安価に市場へと投入し(もしくは価格を下げずに利幅を大きく取って)利益を得よう、というのが提携(共同開発)におけるゴールだと思われます。

そして今回ぼくが考えるのは「今後、トヨタとマツダは共同で車体やエンジンを開発することが増えてくるであろう」ということ。

次期マツダ・アクセラは「FRになる」と言われますが、ここにトヨタの技術が投入されるとも予想され、となるともちろんトヨタ側でも「新型アクセラのトヨタ版」を発売する可能性が出てくる、と考えています。
それはスポーツセダンかもしれませんし、もしかすると86後継となるスポーツクーペの可能性もあるのかもしれません(次期アクセラのプラットフォームはRXビジョンの市販モデルとも共有するとも言われる)。
もしくはトヨタ「S-FR」がマツダ・ロードスターベースで発売といったことも起こりうるかもですね。

今後マツダからはエンジン、トヨタからはハイブリッド技術が双方において交換されることになると思われますが、今回の提携や工場建設において「グローバル」での競争力が強化されるのは間違いなく、お互いの強みをさらに伸ばし、弱いところを補完できる可能性が出てくるのだと思います。※ホンダはこういったことを行わない「純血主義」なので、それが命取りになるとも言われている

各社の海外生産、シェアはこうなっている

なお海外生産比率だとトヨタは60%、マツダは62%。
一方で日産は77%、ホンダは84%となっており、トヨタとしては海外生産比率を引き上げたいところなのだと思われます。

参考までに、現在の自動車メーカー各社の(おおよその)シェアは下記の通りで、意外とヒュンダイが高いことがわかり、今後の統計だと三菱を吸収したルノー・日産が大きくシェアを伸ばしそうですね。

トヨタ 11.2%
GM 11.1%
VW 10.9%
ルノー日産 9.1%
ヒュンダイ 8.6%
フォード 6.9%
ホンダ 5.2%
マツダ 2%
スバル 1%

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