| スカイアクティブ3の投入も近い? |
マツダが「ハイブリッドなみにクリーンな」新型エンジン(スカイアクティブ3)を開発している模様。
これは技術カンファレンス中にマツダの人見光夫常務が明かしたものとして報道されており、具体的には熱効率を27%増加させて56%に引き上げること、二酸化炭素排出量を25%引き下げること。
これによって「EVと同等の」燃費を実現できるとしています。
マツダのガソリンエンジンにかける情熱は自動車業界でも飛びぬけている
なお、マツダの見立てでは「EVは生産から廃棄までを考えると」二酸化炭素排出量が大きく環境負荷も高いとしており(これは実際のところよく言われる)、ガソリンエンジンを追求することで、燃費だけではなく「自動車の一生」を通じて大きく環境に貢献できると考えているようですね。
世の中「ハイブリッド」「EV」という傾向が強くなってきているものの、一部メーカーではガソリンエンジンにおいても力を入れており、アイドリングストップや気筒休止システムのほか、「可変排気量(ホンダ、インフィニティ)」「シリンダー内コーティイング(ルノー・日産)」に加え、マツダはディーゼルエンジンの理論を応用した「スカイアクティブX」テクノロジーなど各社各様。
マツダは今回の「スカイアクティブ3」しかり、他社に比べて(自社のエレクトリック技術を持たないぶん?)ガソリンエンジンに対しては積極的で「ちょっとリードしている」印象があるものの、それでもロータリーエンジンを主動力とした車は(現在)実現できず、その意味でもロータリーエンジンを環境に適応指させるというのは相当にハードルが高いということもわかります。
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マツダはつい先日、「ガソリンエンジンのメリットと、ディーゼルエンジンのメリットを融合させた」新テクノロジー「スカイアクティブX」を発表していますが、早くもそのエンジンを搭載したと見られる(というかボディサイドにデカデカと”SKYAKTIV X”とある)プロトタイプが走行中。
これは従来のガソリンエンジンに比べて20-30%ほど燃費改善を期待できるもので、実用化されればまさに「画期的」。
一般にエンジンは圧縮比を高めると出力が向上するものの、あまりにこれが高いとノッキングや異常燃焼を誘発し、むやみに上げることができない、という現状が。
マツダは現行のSKYACTIV-Gエンジンにおいても圧縮比14:1という高い比率を持ちますが、マツダの考える「ガソリンエンジンの将来」は「圧縮比を高めること」だとも考えられます。
↓エンブレムを隠しておらず、ボディサイドの「SKYACTIV-X」の文字を見るに、「ぜひ撮って」ということなのかも
それはトヨタや日産でも同じと見え、トヨタとインフニティは可変圧縮比を持つエンジンの特許を取得していますが、マツダは構造的にもっと簡単に(構造は簡単でも技術的に簡単ではない)した方法を採用。
それを実現するのがディーゼルエンジンに採用される「圧縮点火」ということになり、これがSKYAKTIV Xの中核テクノロジーと言えそうです(構造の簡単さ、かかるコストなどを考慮するにマツダ方式がもっとも実用的と考えられる)。
加えてマツダは「ロータリーエンジン」というレンジエクステンダーに最適なエンジンも持っていますし、ここで一気にマツダが「内燃機関の雄」として躍り出ることになるのかもしれません。