| 中国・吉利汽車はボルボの買収によって着実に力をつけている |
中国の吉利汽車(Geely Automobile)が中国にて発売した新型車、繽越(Bin Yue)が話題に。
同社としては最初のコンパクトクロスオーバーとなるそうですが、吉利汽車はそのインテリアについて、「スター・ウォーズからインスパイアを受けた」と語っています。
具体的にはスター・ウォーズに登場する戦闘機をイメージした(タイファイターなのか、Xウイングなのか、ほかの機体なのかは不明)とのこと。
以外によく出来たインテリア
なお、吉利汽車は現在ボルボ、ロータスを所有し、そのCEOである李書福氏がメルセデス・ベンツ(ダイムラー)の最大大株主となったことでも有名に。
そして吉利汽車は中国では珍しく「合弁を行わずに」買収と自社ブランド展開のみで業容を拡大している自動車メーカーでもありますね。
こちらがそのインテリアですが、「スター・ウォーズ」とまでは行かないまでも意外と先進的。
おそらくはボルボのデザインチームの力を借りたのだとは思いますが、参考までに下がボルボV60のインテリア。
コンポーネントに類似性はないものの、パーツ類の配置、雰囲気は「似ている」と考えて差し支えないかもしれません。
なお、吉利汽車はロータスについてはその関与を強めて最近トップを中国人に入れ替えていますが、ボルボについては(これまで)さほど干渉していない模様。
ただ、吉利汽車の新ブランド「Lynk & Co.」にて発売しているSUVはボルボXC40と多くを共有している、とも言われます。
さらには中国での生産を行い、中国で生産されたクルマについては中国内で販売するのみではなく、世界中へと輸出することになり、ボルボの最近の発言を見ても「中国シフト」が鮮明に。
そんな中での吉利Bin Yueですが、これはやっぱり中国のセンスとは思えない(ボルボが手を貸しているだろう)、というのが正直なところ。
メインのメーターは10.25インチサイズの液晶パネルで、インテリアにはレザーとメタルがふんだんに使用され、インフォテイメントシステムには音声入力や4G/Wi-Fi接続といった機能が与えられ、さらには「オンラインでの」アップデートにも対応している、とのこと。
エンジンについてはまずボルボとの共同開発による1.5リッターターボ(174馬力)が搭載され、トランスミッションは7速デュアルクラッチ。
のちに1リッターターボ(134馬力)+6速MTが追加されるとのことですが、特筆すべきは、このクルマが「レベル2」の自動運転機能を備えていること。
レベル2の定義は「加速・操舵・制動のうち、複数を車両が行う」ということになり、「ビジネスインサイダー」によると、自動運転をもっとも信頼している国は中国だという統計結果が出ていることを考えると、中国では「自動運転の有無」が販売に与える影響が大きいのかもしれませんね。
なおBin Yueに採用さえッル自動運転機能については、ミリ波レーダーとカメラとのコンビネーションによって時速150キロまでにおいて前車に追従する形で走行及びレーンチェンジを行い、自動パーキング機能も備える、というもの。
Bin Yueのボディサイズは全長4330ミリ、全幅1800ミリ、全高1609ミリ。
比較的短く、しかしワイドなプロポーションを持っている、と言えますね。
ウェッジシェイプに加えて樹脂製のクラディングによって塗装面積を最小限に抑えており、SUVであるにもかかわらず車体を軽快に見せているようです。
加えてガラス面積を小さく抑え、A~Cピラーまでをブラック・アウトし、車体上部をコンパクトにまとめているのも好印象。
ただ、これらについても「ボルボXC40」とほぼ同様の手法でもあり、やはりボルボがこのクルマのデザインに噛んでるんだろうな、と思わせる部分です。