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ホンダS2000の元祖「SSMコンセプト」はピニンファリーナデザインだった。S2000との差、そしてS2000を再評価してみよう

投稿日:2019/04/27 更新日:

S2000はピュアさを貫いたからこそ今も変わらぬ輝きを放っている

さて、今回は1995年の東京モーターショーにて発表されたホンダのコンセプトカー、「SSM」を紹介。
これは見ての通り後のS2000へと繋がるクルマで、「SSM」は「Sport Study Model(スポーツスタディモデル)」の略。

2シーターオープン、FRというレイアウトを採用し、エンジンは当時ホンダが採用していた直列5気筒(2リッターへと変更)、トランスミッションはNSXから拝借した5速AT。

スタイリングはピニンファリーナによるもので(ホンダはこれを公表していない)、トップを持たないスピードスタースタイル、そして古典的なロングノーズ/ショートデッキ。
前後重量配分は50:50だとされています。

ホンダS2000はホンダ70周年の折にも復活しそうにない

ホンダはSSMコンセプトの反響の大きさを受けて市販化を決定し、1998年10月に「S2000」として発表した後、1999年にホンダ創立50週年記念車として発売しています。

なおS2000は2009年に販売を終了していますが、その後今に至るまで後継モデルは発売されておらず、ホンダ70周年記年そしてS2000発売20周年となる今年に「S2000後継が発表されるのでは」という話もありましたね。

なおホンダSSMコンセプトの全長は全長3985ミリ、全幅1695ミリ、全高1130ミリ。
つまり「5ナンバーサイズ」ではあったものの(ホンダは小さなスポーツカーが好きらしい)、実際にデビューしたS2000は全長4135ミリ、全幅1750ミリ、全高1285ミリという3ナンバーサイズに。

この「3ナンバーサイズ化」について、1997年に登場したBMW Z3のデザインを見てS2000のデザインが「再考された」結果だという説もありますが、この真偽は不明です。

そしてSSMコンセプトで興味深いのは「インテリア」。
左右を仕切ったデザインを持ち、センターにはデジタル式のディスプレイ(ホンダは結構早い段階で”デジパネ”を取り入れたメーカーでもある)、ステアリングホイール左脇には「ATセレクター(ホンダがSSMコンセプトでATを採用した理由も不明)」。

ホンダSSMからS2000ではこう変わった

そしてここでは、SSMコンセプト、そして市販モデルであるS2000とを比較してみましょう。

まずこちらはSSMコンセプト。
SSMコンセプトのフレームはスチールモノコック、ボディ外板はコンポジット素材が採用されています。
2つのロールバーは車体に直接固定され、ボディ剛性を大きく向上させることに。

こちらはS2000。
SSMコンセプトの雰囲気を色濃く残していますが、テールランプやリアディフューザーが現実的なものとなり、トランクがやはハイデッキに、そしてハイマウントストップランプはロールバーからトランクリッドへ。

なお、フレームは専用設計の「ハイXボーンフレーム」。
これによってフロアトンネルが太くなってしまい、「車内が狭い」という批判を受けることになります。

SSMのフロントで特徴的なのはやはり低くマウントされたヘッドライト。

S2000ではヘッドライトが常識的な位置へと変更され(法規が主な理由かも)、フロントバンパーの形状も変更に。
ただしフェンダー形状や、切り立ったフロントウインドウはSSMコンセプトをよく表現しています。

SSMコンセプトでは存在しなかったドアハンドルがS2000では追加されていますが、これはフラシュマウント化されて空力に配慮されることに(もともとホンダはフラッシュマウントのドアハンドルを好む)。

ヘッドライトはこんな感じ。
プロジェクターや丸型ランプを使用し、SSMコンセプトのイメージを再現しようとしたことがわかります。

テールランプも同じくSSMコンセプトを意識したもの。
ヘッドライトとテールランプとのデザインが連動しているのもSSMコンセプトと同じですね。

ドアミラーはややトーンが落とされていますが、これもSSMを強く意識しています。
当時のホンダにしては珍しくドアスキンマウントで、もちろん専用設計(ここは相当に頑張った部分だと思う)。

S2000登場時(AP1)のエンジンは「F20C」。
2リッター直4ではあるものの、レブリミット9000回転という高回転型の設定を持っており、出力は250馬力。

ただしこのエンジンはあまりにピーキーすぎ(ぼくはS2000を借りてしばらく乗っていたことがあるが、ノイズやサウンド、モノを置くところの少なさ、エンジンのフィーリングなど、印象は”バイクみたいだ”というものだった)、かつクラッチミートも相当に回転数を上げる必要があったため、マイナーチェンジ(AP2)ではエンジンを2.2リッターに排気量アップして最大トルク発生回転数を下げ、同時に出力も242馬力にパワーダウンしています。

なお海外では「トルク」が重視される傾向にあり、よってスバルWRX STIも海外仕様は2.5リッター(日本では2リッター)、マツダ・ロードスターも海外仕様は2リッター(日本仕様は1.5リッター)。

ちなみにS2000は平成12年排出ガス規制適合第一号車でもあり(新しい排ガス規制に対応した最初のクルマがスポーツカーというのもなんとなく皮肉)、そのため環境性能が重視され、燃費は10.15モードにてリッター11キロ程度(もちろん実際はそんなに伸びない)。

トランクはこんな感じで、さほど狭くはないと思うのですが、海外では「狭い」と酷評されることになり、それはモノを置くスペースがほとんどないインテリアも同様。

加えて乗員用スペースも狭く、エンジンが扱いにくくノイズやバイブレーションも大きいということから「ユーザーを無視した設計」とも言われることに。

ただ、S2000の名誉のために言うならば、S2000は走りのために全てを犠牲にしたクルマであって、それだけ「ピュア」(もう少しパワーがあればとは感じたが)。

仮にS2000が使い勝手を考慮して無駄に大きくなったり、トランクを拡大することで長くなったり、静粛性を追求するために遮音材を投入して重くなっていたりすると逆に「ピュアに走りを追求していない」という批判を受けたのは間違いないと思います(NSXの場合は、ゴルフバッグを載せるためにリアを延長したと批判された。本当はそうじゃないみたい)。

S2000は生産期間10年のうち、日本国内で販売されたのはたったの2万台、世界でも11万台にとどまるものの、それでもホンダは10年もこのクルマを作り続けたことは評価に値し、かつ今でも高い人気を誇り、そしてときに(異常に)高い価格をつけるところを見ると現役時代はなんだかんだ言われはしたものの、「これで正解だった」んだろう、とも思います。

当時はあまりにピュアすぎて理解されなかった部分があったかもしれませんが、ピュアであったがゆえに「時間」を経ても淘汰されず、むしろその本質が時代を超えて評価されることになったということなのかもしれませんね。


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  • この記事を書いた人

JUN

人生において戻せないもの、それは4つ。「失われた機会、過ぎ去った時間、放たれた矢、口から出た言葉」。とにかくチャレンジ、しかし紳士的にありたいと思います。

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