| トヨタは素晴らしいデザインを残しているものの、「これがトヨタ”らしい”というディテールは不思議とない |
レンダリングアーティスト、David Gallego氏が「トヨタH2+コンセプト」を公開。
同氏曰く「2000GTと80スープラを意識した」とのことですが、むしろオリジナル要素の方が強いように見える斬新なデザインを持っています。
ボディサイズは全長4,381ミリ、全幅1,813ミリ、全高1,010ミリとかなりコンパクトで、フロント2名、リア1名という一風変わったシートレイアウトを持ち、使用しないシートを折りたたむことでカー後スペースを最大化することもできるようですね。
「これこそトヨタ」というデザインは少ないが
なお、トヨタは過去に「2000GT」等の名車が存在するものの、このクルマのこの部分がトヨタにしかないデザイン、というディティールが意外と少ないようです(その意味ではレンダリングアーティストにとって、とっつきにくいブランドかも)。
たとえば日産であればスカイラインの「サーフィンライン」や丸4灯テールランプといった特徴があるものの、そういったものがあまり思い浮かばない、ということですね。
ただ、それでも全体としては非常に美しいデザインを持つクルマが(ときどき)誕生するのがトヨタであり、それもまたトヨタの面白いところ。
現代においても、日産が「Vモーショングリル」、マツダが「多角形グリル+横長ヘッドライト」ホンダが「ウインググリル」を採用することでブランド全体の統一感とプレゼンスを高めているのに対し(この傾向はメルセデス・ベンツ、アウディ、BMW、ポルシェといった欧州の自動車メーカーにも顕著)、トヨタは「それぞれのクルマが独立したデザイン」を持っていて、デザイン的な車種ごとに関連性が非常に弱いブランドでもあります。
これがつまり「この部分が端的にトヨタ」を表すというデザインを持たない理由だとも考えられますが、トヨタはほかの自動車メーカーとはデザインに対する考え方が大きく異なると言って良いのかもしれません。
今回のトヨタH2+コンセプトについても、「どの部分がトヨタ」とはいい難いものの、全体としてはうまくまとまっているように見え、その流麗なプロポーションはまさに白眉。
ラップアラウンドウインドウ、ヘルメットルーフを採用しており(強いて言えば、これがトヨタのヘリテージを感じさせ、トヨタ公式のコンセプトカーに近い部分でもある)、そして意外なのはリアセクションが長く見えること。
つまり「ロングノーズ」であっても「ショートデッキ」ではない、ということですね。
ただし上から見るとリアセクションは意外にコンパクトであるようにも。
おそらくはシートとリアタイヤとの距離が空いていることが「リアセクションを長く見せている」のかもしれません。