>スウェーデンの自動車メーカー

ボルボが今後、「EVにはレザー不使用」と宣言!ラインナップがすべてEVになれば完全にレザーを使用しない自動車メーカーに

2021/10/09

ボルボが今後、「EVにはレザー不使用」と宣言!ラインナップがすべてEVになれば完全にレザーを使用しない自動車メーカーに

| レザー採取のために殺される動物が減るのは歓迎すべき |

正直、ボクはレザーが採用されていなくてもあまり気にしない

さて、ボルボは「ボルボC40リチャージ」を皮切りに、すべての電気自動車にレザーを使用することをやめ、”レザーフリー”へ向かうと発表。

ボルボは2030年までにラインナップを電気自動車のみにするともコメントしているので、これはつまり「ボルボは今後、永久にレザーに別れを告げる」ことを意味します。

加えてボルボは2040年までに「完全循環型ビジネス」の実現を目指していますが、そのためには2025年までに、ボルボの新車に使用される材料の25%をリサイクルやバイオベースの材料で構成し、さらにサプライヤーに対しても100%再生可能エネルギーの使用を義務付けることを目標としています。

Volvo_C40_Recharge_Interior-1

レザー不使用は必須

なお、このボルボの目標は天然皮革を使い続けることでは達成できないといい、というのも、牧畜は環境に悪影響を及ぼし、人間の活動に起因する世界の温室効果ガス排出量の約14%を家畜が担っているとされるため。

ベントレーが翻意?数年前は「レザーの使用をやめる」と主張したものの、今回「いやいやレザーはエコなんですよ」と180度方針を転換
参考ベントレーが翻意?数年前は「レザーの使用をやめる」と主張したものの、今回「いやいやレザーはエコなんですよ」と180度方針を転換

| やはり高級車を手掛ける以上、どうやってもレザー不使用を貫くのは難しいのかもしれない | それはベントレーの問題ではなく、多くの顧客がレザーでないと許さないのだろう | ベントレーが「皮革メーカーの ...

続きを見る

そしてボルボは、レザーに代わる素材としてNordico(ノルディコ)のような高品質で持続可能な素材を提供するとしていますが、ボルボによると、Nordicoはリサイクルされたペットボトル、スウェーデンとフィンランドの持続可能な森林から採取された生物由来の材料、ワイン産業で使用されるリサイクルコルクなどから作られているエコな素材なのだそう。

Volvo_C40_Recharge_Interior-2

さらにボルボは、環境問題に加えて動物福祉にも関心を持っており、そのため、今後もウール混紡素材のオプションを提供していきますが、それは「責任ある調達を行っていると認定された」サプライヤーから入手できるものに限られ、素材の完全なトレーサビリティが確保されることになります。

同時に、プラスチック、ゴム、潤滑油、接着剤などの製造過程で一般的に使用されている「家畜の飼育に伴う残留物」の使用を削減しようとしており、それら動物由来の製品の需要を減らすことで、動物の「被害」を食い止めることに貢献するとも述べています。

Volvo_C40_Recharge_Interior-3

ボルボ・カーズのグローバル・サステナビリティー・ディレクターであるスチュアート・テンプラー氏によると、「先進的な自動車メーカーであるということは、CO2排出量だけでなく、サステナビリティのすべての分野に取り組む必要があるということです。責任ある調達は、動物福祉の尊重を含め、その活動の重要な部分を占めています。純粋な電気自動車にレザーを使用しないことは、この問題に取り組むための良い次のステップです」とコメント。

高級車ほど「非レザー」が求められる

さらに最近の調査によると、消費者の3分の2は、高級品を購入する際にブランドの環境政策を重要な要素として考慮していることやカーボンラベルの表示を希望していることを挙げ、ボルボが発行したレポート「The Rise of Conscious Design」には、この他にも多くの結論や考察が掲載されている、とのこと。

なお、こういった「レザーの使用をやめる」方向に動く自動車メーカーとしてはほかにミニやレンジローバーなどがあり、そのほかメルセデス・ベンツ、ベントレーも代替素材の使用を検討したり「レザーの採取を目的として動物を殺さない」という運動への参加を表明していて、今後は他のメーカーもこれらの動きに追随することになるのかも。

これら「非レザー」化の動きは主に知識層が購入する高級車に多く、しかしスポーツカーやスーパーカーにおいては「アルカンターラ(軽量)」「機能性素材」の使用を拡大する動きが見られ、別の観点から非レザー化が進みそうですね。

合わせて読みたい、ボルボ関連投稿

ボルボ・リチャージ・コンセプト
ボルボ「これからの車名には、生まれたばかりの赤ん坊に名付けるように、記号ではなく名前をつける」。やっぱりクルマには「名前」があったほうがいいとボクは思う

| 「名前」もまたそのブランドやクルマのストーリーや性格を反映したものであり、感情移入できる要素の一つだと思う | なお、ボルボは100年近い歴史において、名前を用いたクルマをスウェーデン国外で発売し ...

続きを見る

これはボルボらしいな!シューズブランド「カスカ」とのコラボにて、北欧デザイン採用、タイヤ等からのリサイクル素材を使用したスニーカーが発売開始
これはボルボらしいな!シューズブランド「カスカ」とのコラボにて、北欧デザイン採用、タイヤ等からのリサイクル素材を使用したスニーカーが発売開始

| 「コラボ製品」といえど各社の”色”が見えて面白い | ボルボ、そして北欧ブランドらしい「ナチュラル」なデザイン さて、現在自動車メーカーと様々なシューズブランドがパートナーシップを発表していますが ...

続きを見る

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

->スウェーデンの自動車メーカー
-, ,