| トヨタはチップ不足の苦しい状況の中でも販売を伸ばし、逆にGMは販売が縮小 |
チップの供給が回復した際にトヨタがこのまま首位をキープできるかには注目したい
さて、2021年の自動車メーカー各社の納車台数が出揃い、トヨタが”史上初めて”米国最大の自動車メーカーとなったことが判明。
そしてこれまでずっと首位を保っていたゼネラルモーターズが同国の台数首位から陥落するのはなんと90年ぶりとのことですが、これについて北米トヨタの自動車事業担当上級副社長であるジャック・ホリス氏は以下の通り声明を発表しており、声高らかに勝利宣言を行っています。
トヨタは、トヨタ車とレクサス車に安全と信頼を寄せていただいているロイヤルカスタマーに感謝しています。No.1であることは、決してフォーカスやプライオリティではありません。常に、安全、品質、価値の面で、お客様の心に残る最高のブランドであることを重視しています
トヨタとGMとで明暗が分かれる
なお、2021年の米国におけるトヨタの販売台数は233万2262台(10.4%増)、GMは221万8228台で逆に12.9%減。
両者の差はそこまで大きくはなく、しかし明暗を分けたのはヒット商品の有無よりも「チップを確保できたかどうか」によるところも大きいのだと考えられ、よってチップの需給逼迫が改善してくるであろう2022年、そして2023年に「どうなるか」というのはちょっとした見もの(GMも死ぬ気で巻き返しにくるに違いない)。※トヨタはチップ不足にて、2021年9月に世界各地の工場を閉鎖し、世界生産台数を36万台減産している
ちなみに2021年、トヨタでもっとも売れたのはRAV4(43万387台、5.3%減)、GMだとシルバラード(38万715台、12.7%減)。
まだまだ自動車メーカー各社の苦境は続く
現在自動車メーカー各社を苦しめているのは「需要の低迷」ではなく「チップ不足」であり、これによって受注をうまくさばくことができず、スバルに至っては「毎月どんどん受注残が増えている」とも報じられています。
つまり注文を受けても納車ができないということになり、この状況でいかに顧客をつなぎとめ、他社製品に流れないようするかも重要になってくるのかもしれません。
さらに自動車業界全体だと「新車が足りないので中古車に目が向き、中古車相場が上昇」しているといい、消費者にとってはちょっと厳しい状況となっていて、おそらくチップ不足はあと1年から1年半程度は継続すると見られており、それによる販売状況そして販売現場の「異変」はまだまだ続くことになりそうですね(自動車業界全体的に、今までに直面したことがない局面に差し掛かる)。
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参照:Automotive News