| テスラはレーダーの使用をやめ、カメラのみにて自動運転を制御するもよう |
現時点での技術レベルではやはりレーダーとの併用が無難か
さて、テスラのクルマが突如”勝手に”ブレーキをかけるという怪奇現象「ファントムブレーキ」について、米国道路交通安全局(NHTSA)に100件超のクレームが提出されており、現在NHTSAが調査に乗り出している、とのこと。
これは高度運転支援システムを搭載した車両が、道路上の何かを障害物を含めた「危険」として誤解してブレーキを踏んでしまうというもので、テスラのみではなく同様のシステムを搭載する車両には常に付きまとう問題です。
程度にもよりますが、これが生じると当然「急ブレーキ」状態となってしまい、よって後続車が追突してしまう危険性が生じ、そのほかにも周囲に何らかの影響を与えかねないというトラブルでもありますね。
ただしテスラではこところクレームが急増
ただし、ことテスラにおいてはこの問題が急増する傾向にあるといい、それまでの22ヶ月では37件だったファントムブレーキに関する苦情が、この3ヶ月では107件に増加したと報じられていて、これはテスラが運転支援システムの運用を「レーダーセンサーではなく、カメラのみで行う」と決めたタイミングと一致しているのだそう。
カーネギーメロン大学で自律走行車の安全性を研究しているフィル・クープマン教授は、ワシントンポスト紙に対して「ファントムブレーキは、システム開発者が、何もないのに何かが路上にあるとシステムが”誤報”を出した時、それが誤報であるかどうかを判定するためのロジックを適切に設定していない場合に起こるものです。テスラ以外の他社が取り入れているのは、複数の異なるセンサーを使い、複数のカメラだけでなく、複数の種類のセンサーをクロスチェックすることです。例えば、道路を横切るように浮かぶ(歩行者が持つ)バッグは、カメラの視点ではトラックに見えるかもしれませんが、レーダーやLiDARで裏付けが取れれば、それはトラックではないということがわかり、ファントムブレーキは避けられるかもしれません」とコメント。
かくしてNHTSAは多数の苦情を把握することになり調査を進めていますが、テスラとも協議を行っているといい、テスラは追加のデータソース、そしてプログラムの更新を検討中だと報じられています。
なお、テスラはここ最近ソフトウエア関連のトラブルが多発しており、そのためNHTSAはテスラを監視強化対象としているといわれ、テスラの高度運転支援システムに関連する事故の調査を集中的に行っているようですね。
程度の差こそあれ、ファントムブレーキはよく起こる
なお、ぼくがこれまでに所有し乗ったクルマだと、こういった高度な運転支援装置が搭載されているのはBMW i3、ポルシェ・マカンSですが、両者とも何度か誤作動を起こしてファントムブレーキを発生させており、ポルシェ・マカンSだと現在までに「数回」発生していて、それが起きた際には一瞬なにが起きたのかわからないほど(警告音とともに急ブレーキが自動でかかる)。
その際には嫌な振動が発生することになりますが、これがたびたび生じるとすると、テスラのドライバーが今回のファントムブレーキについて「身の毛もよだつ」と表現しているのにもうなずけます。
テスラの「ファントムブレーキ」発生の状況を捉えた動画はこちら
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