| いつかはこのときがやってくると考えていたが、ついにその瞬間が目前に迫ってきたようだ |
いずれのニューモデルも「既定路線」ではあるが、その中でもサプライズを期待したい
さて、ランボルギーニは「2021年が記録的な年であった」ということを記したプレスリリースを発行していますが、その中でこっそり触れられていたのが「ウラカンとウルスにそれぞれ2つのニューモデルを追加し、これらがガソリンエンジン世代最後のモデルとなって、2023年のアヴェンタドール後継モデル以降は全車ハイブリッド化される」ということ。
これは予め示された路線ではあるものの、今回改めて再確認されたとうことになり、文字通り一つの時代の終焉ということになりそうです。
なお、スーパーカーメーカーとしては、ランボルギーニの他、メジャーどころだとフェラーリ、マクラーレンが存在するものの、いずれもその未来の方向性は少しづつ異なっていて、ランボルギーニは「2023年以降、全モデル電化」を掲げており、「V12エンジンはハイブリッド化されて存続」するもののV10エンジンの未来は不透明(V10エンジンが廃止され、フォルクスワーゲングループ内のV8もしくはV6エンジンとハイブリッドシステムを組み合わせる可能性も指摘されている)。
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フェラーリは「V12エンジン単体」をなんとしても残す?
そしてフェラーリだと、ライバルに先駆けて「SF90ストラダーレ/SF90スパイダー(V8+HV)」「296GTB(V6+HV)」というハイブリッドモデルを導入していますが、だからといって全モデルをハイブリッド化するわけでもないと報じられており、フェラーリ初のSUV「プロサングエ」、812スーパーファスト/GTS後継モデルはハイブリッド化されずにV12エンジン単体で駆動するドライブトレーンを持つ、とも(あくまでもウワサなので真実はわからない)。
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現在欧州では、自動車メーカーごとにCO2排出量が決められ、これをオーバーすると巨額の罰金を支払う必要が出てきますが、フェラーリがいちはやくハイブリッドに取り組んだのは、この規制による罰金を「少しでも減らすことができる」ように考えたからなのかもしれません。
つまり、SF90ストラダーレ/SF90スパイダーや296GTBを販売することで全体のC2排出量を下げ、これによってV12エンジンをハイブリッド化しない道を模索している可能性もあるんじゃないかということですね。
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参考までにですが、走行kmあたりのCO2排出量だと、F8トリブートが292g、812スーパーファストが366gという数値となっていて、しかし296GTBは149g、SF90ストラダーレは154g(いずれも公称値)なので、ハイブリッド組のCO2排出量はF8トリブート(3.9リッターV8ツインターボ、ノンハイブリッド)の半分くらいということがわかります。
そして、これらハイブリッドの販売台数(販売比率)を高めれば、必然的にフェラーリ全体としてのC2排出量が下がることになり、罰金を支払わずにすむとまではゆかずとも、(V12エンジンをハイブリッド化しなくても)罰金の額をある程度までに抑えることができるレベルにまで持って行けるのかもしれません。
実際のところ、SF90ストラダーレ、296GTBには販売制限がなく「誰でも(お金があれば・・・)」買えるフェラーリであり、しかしプロサングエには購入制限が設けられるというので、フェラーリは「ハイブリッドを大量に販売することで、V12エンジンを単体で生き残らせる」ことを考えているんだろうな、と推測しているわけですね。
ただしランボルギーニは「全車ハイブリッド」
そういったフェラーリの方向性とはやや異なり、ランボルギーニが採用するのは「全車ハイブリッドにて、全体的にCO2を引き下げる」という戦略であるように見え、この差異には要注目かもしれません。
ただ、この違いについては「良い悪い」ではなく、企業の考え方の違いであり、ぼくらとしてはその成り行きを見守るしかないのかも。
スティーブ・ジョブズは「何を捨てるかで誇りが問われ、何を残すかで愛情が問われる」と語ったといいますが、同じ「V12を残す」にしてもそのやり方が異なり、しかし、必ずしも「V12エンジン単体で」存続させたほうがいいのかどうかについても現時点では判断ができず、そしてランボルギーニには「リマック」という強い味方がついているので(ランボルギーニと同じフォルクスワーゲングループ内に属するポルシェが大きく関わっている)、ここには大きな期待を寄せています。
「2つのランボルギーニ・ウルス」はどんなクルマに?
そして今回言及されたうち、「2つのウルス」について、ひとつはウルスのフェイスリフト(マイナーチェンジ)モデルで間違いなさそう。
これは現行ウルスの受注が一旦停止されていることからも明らかで、新型に切り替わるものと思われます。
そしてもう一つの方については、長らくウワサされてきた「ハードコアバージョン」だという見方が濃厚であり、かつて発表されたST-Xコンセプト(コロナ禍のためか、計画が消えてしまった)の市販バージョンだとも推測されています(ちなみにウルスには様々なウワサがあり、さらに悪路走行性能を高めたハードコアモデルを発売するという説もある)。
なお、このハードコアバージョンについては、ポルシェがカイエンに用いるハイブリッドシステムをウルス向けに調整して搭載し、エレクトリックモーターの力を借りて強大なパワーを発揮するという可能性もあるようですが、プレスリリースでは「2022年のニューモデルをもってガソリン時代が終焉を迎える」としており、よって今回はハイブリッドではないのかも。
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そしてウラカンの「2つ」のニューモデルについて、ひとつはまずオフロード志向の「ステラート」で間違いなさそう。
こちらは以前から発売のウワサが聞かれており、実際に路上テストが行われている姿も目撃されています。
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ただ、現時点ではいずれも憶測の範疇を出ず、しかしあと数ヶ月内にはその事実を目にすることが可能となりそうですね。
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参照:Lamborghini