| コスト削減が主目的であることは間違いなさそうだが、オープンした2013年とは全く事情が異なる |
当時は知名度ゼロ、販売台数も極少だったが、今では知名度MAX、納車もずいぶん進んでいる
さて、テスラが中国のフラッグシップストアを閉店したとの報道。
この旗艦店は北京の高級ショッピングセンター、「パークビュー・グリーン」内にあったもので、旗艦店であると同時に中国初の店舗だったといいます。
閉店の理由については公式にアナウンスがなされておらず、ロイターによれば「コスト削減」、そしてテスラはショールームをラッフルズシティなる別のショッピングモールに移転したことも報じられており、このラッフルズシティにあるあたらしいディーラーはもともとの旗艦店に比較してかなりコンパクトだとされ、(2階建てであった)以前の旗艦店に比較すると大きくコストを下げることができるようですね。
北京のテスラ旗艦店は2013年にオープン
なお、パークビュー・グリーン内にあったもともとの旗艦店は2013年に「米国に次ぐ第二の市場」たる中国の躍進を睨んで開設されたもので、2018年には改装・拡張が行われていますが、今回の「閉店」はテスラが中国にて値下げを行ったという報道の直後になされたもので、このタイミングだと様々な憶測を呼ぶのは間違いなさそう。
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ただ、2013年の時点と異なるのは、「当時、テスラは全く無名の存在であり、電気自動車そのものも一般的ではなく」よって巨大なショールームを一等地に出す必要があったのだと思われ、しかし現在テスラは業界のリーダーでもあり、電気自動車はもっとも注目が集まるセグメント。
さらに現在、テスラは中国全土にて200ものショールームを抱えており、もはや旗艦店の意味は薄くなっているのかも。
加えて報道では「現在の、半数以上のショールームが、試乗と販売のみを目的としたもので、整備を行うことができない」という問題をテスラが解決するために動いており、今後はサービスセンターを備えた店舗を(実際にユーザーが住む)郊外に設置してゆく予定だとも述べ、これも販売開始当時とは異なり、「ユーザーが増えてきた」現状に対応しようということなのだと思われます。
加えてイーロン・マスクCEOは現在の「サービスを迅速に提供できない」現状についても改善の必要性を感じているとされているので、今後の店舗のあり方を大きく見直すのかもしれません(現在、中国のテスラでは、305名のサービス職の募集がある)。
中国乗用車協会によると、中国におけるテスラの販売台数は、2022年の最初の9カ月間で55%増加しており、テスラとしては新たな現実に対応せねばならない、ということなのでしょうね。
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テスラは自動運転に関するシステムをアップデート
そして別の報道では「テスラが、自動運転(FSD=フル・セルフ・ドライビング)」に関して大きなアップデートを行う、というものも。
すでに一部では提供が開始されているそうですが、これはFSDベータ版10.69.3と称したもので、「久々に包括的で大きなアップデート」だとされています。
イーロン・マスクCEOは、先に開催された四半期決算説明会にて大型アップデートの実施をほのめかしていましたが、同時に「自動運転の(米国当局の)承認には悲観的」という報道もあり、しかし少しづつではあるものの前に動いているということになりますね。
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今回のアップデートでは車速、車線選択、脆弱な道路利用者(VRU)が対象となり、例えば、交差する車両の精度の向上と速度誤差の低減、VRUの精度の20%向上が盛り込まれ、テスラによるとこのアップデートにより、横断中の歩行者の速度誤差も6%減少している、とのこと。
技術的なところに触れてみると、ネットワークを二段構えにすることで遅延を減らし、同時に機能を向上させており、ニューラルネットワークに新しいモジュールを追加するなど、FSDの車線選択と維持の方法を改善するための機能も備えているとされ、これによってファントムブレーキの現象も気負いされているようですね。
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なお、テスラは(レーダーを廃止して)カメラを中心とするFSD技術に大きく賭けていますが、「来年には規制当局にFSDが平均的な人間よりも安全であることを示すのに十分なデータが得られる」ともイーロン・マスクCEOが語っており、この路線を継続することは間違いないと考えてよく、ここも他社と大きく異るところではありますね(レーダーが不要になればかなりのコスト削減となる)。
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