| とにかく電動化にはコストがかかり、各社ともコストカットに必死という印象があったが |
いずれにせよ、利益を還元してくれるのはありがたい
さて、ポルシェは大きく利益があがった際に「利益を従業員へと還元」することで知られますが、今回はメルセデス・ベンツが2022年の利益を従業員に対し「尊敬の証」として、通常の給与や賞与に加え6,000ユーロを還元(支給)することが明らかに。
なお、プレスリリースによれば、メルセデス・ベンツは1997年以降、こういった「追加ボーナスをたびたび支払ってきた」とのこと(知らなかった)。
-
1台あたり200万円近い利益を誇るポルシェ。業績好調につき、従業員に平均121万円のボーナスを支給すると発表
さらにこの利益は今後も拡大しそう ポルシェが業績好調につき、最大で9700ユーロのボーナスを従業員に支給する、と発表。「最大」というのは個々の労働時間や勤続年数等によってその額が異なるためで、しかし2 ...
続きを見る
追加ボーナスの対象は約10万人
そして今回「追加ボーナス」の対象となるのは約93,000人の従業員だといい(ちなみにトヨタの従業員数は366,283人)、すでにメルセデス・ベンツの経営陣と一般労働者評議会は、この特別一時金をメルセデス・ベンツの労働者に支給することに同意しており、この6,000ユーロは4月の給与と一緒に支払われるのだそう。
メルセデス・ベンツは電動ラインナップのため、470億ドルという巨額の資金を行うと報じられていますが、そうした「何かと入用」の今の時期にこうした手厚いボーナスが支給されるのはちょっと意外。
実際のところ、電動化のための投資は多くの自動車メーカーを圧迫しており、電動化においてはメルセデス・ベンツの協力なライバルとなるフォルクスワーゲングループはその資金獲得手段のひとつとしてポルシェを新規上場(IPO)させたくらい。
そしてこのIPOの時期は「インフレ、ロシアのウクライナ侵攻」という非常によろしくない環境の中で強行して行われ、つまりは「そういった悪条件うんぬんしてらんない」というほどお金が欲しかったのだと思われます。
なお、ポルシェはIPOによって195億ユーロを手にしていますが、そのうち約96億ユーロがフォルクスワーゲンに(電動貸金として)回され、この96億ユーロは電動化計画に必要な520億ユーロの予算に組み込まれると報じられていますね。
-
ポルシェがついに上場(IPO)!時価総額は10兆円、VWとほぼ並び、フェラーリの倍近い規模へ。現時点でも「まだ上がる」派と「株価の維持は難しいだろう」派とでまっぷたつ
| ポルシェが売出し価格を上限に設定したこと、そしてそれを維持したことは多くの投資家にとって驚きだったに違いない | 正直、ボクもここから株価が一時的に上がったことには驚いた さて、ポルシェが2022 ...
続きを見る
メルセデス・ベンツはここから一気に電動化を促進
メルセデス・ベンツは、2030年までに「市場の状況が許す限り」EVのみを提供することを計画していますが、そのためにコンパクトカー用のMMA、中・大型車用のMB.EA、パフォーマンスモデル用のAMG.EAなど、いくつかの新しいプラットフォームを設計しています(商用車・ミニバン用としてVAN.EAも用意される)。
さらにメルセデス・ベンツはパートナーとともに、8つ以上のバッテリー工場を建設し、今後加速度的に増加する電気自動車のラインアップをサポートし、2026年までには内燃機関の開発予算を80%削減する方針も示しています。
もちろん内燃機関(ガソリン / ディーゼルエンジン)開発予算削減はコストを節約することが目的ですが、同じ理由にて、コンパクトカーのラインナップも簡素化され、Aクラスのハッチバックとセダン、そしてミニバンのBクラスがなくなると言われていて、こういった状況下において「およそ10万人に、6,000ユーロのボーナス」というのはやはり太っ腹だと言えそうですね。
-
メルセデス・ベンツは「超高級ブランド」へと移行する!超限定ブランド「ミトス」の設定、さらにGクラスのサブブランド化、エントリークラスの削減を発表
| メルセデス・ベンツは大きく方向性を転換し、エントリークラスに見切りをつけてさらなる「高み」へ | まさかここまで思い切った転換を行うとは考えてもみなかった さて、メルセデス・ベンツは収益性を高める ...
続きを見る
合わせて読みたい、メルセデス・ベンツ関連投稿
-
メルセデス・ベンツが自社の充電網を構築すると発表!休憩や買い物もできる全天候化型、そして他社のEVでも充電が可能となるようだ
| EVの普及と充電施設の拡充は「タマゴとニワトリ」の関係でもある | EVを普及させようと考えるならば充電器の設置は欠かせない さて、メルセデス・ベンツは2020年代までに世界的に急速充電ネットワー ...
続きを見る
-
メルセデス・ベンツが「EQ」の名称を1年以内に捨てる?「全車EVになれば、わざわざEQを名乗る必要がなくなるから」。電動化ブランドの扱いは各社各様
| 主にドイツのメーカーは新規エレクトリックブランドを立ち上げ、アメリカでは既存車種をそのままEV化することが多いようだ | 一方、過去のクルマをEVとして蘇らせたり、まったくのニューモデルとして投入 ...
続きを見る
-
メルセデス・ベンツが「CO2排出量が30%低いアルミ」を調達するための契約を結んだとの報道。最近は自動車メーカーだけではなくサプライヤーもカーボンフリー必須
| 現在はカーボンフリーへの努力を怠っただけでも各種団体から訴えられる始末に | こうやって自動車の製造コストはどんどん高くなってゆく メルセデス・ベンツが「ノルウェーの水力発電所と低炭素アルミニウム ...
続きを見る