| 低重力の宇宙をテーマにメルセデス・ベンツとモンクレールとのコラボレーションが発表される |
どうやら今後も両者のパートナーシップが継続し、なんらかの製品化があるかもしれない
さて、先日メルセデス・ベンツはイタリアのファッションブランド、モンクレールとのコラボレーションを予告していましたが、今回はその「実車」がついに公開。
これはGクラス(ゲレンデ)、そしてモンクレールの持つアイコニックなパファージャケットとを融合させたユニークな企画となっており、その名は「プロジェクト・モンドG(Project Mondo G)」。
この実車はロンドン・ファッションウィークで行われたモンクレールの「ジ・アート・オブ・ジーニアス(The Art of Genius)」ショーの一部として公開されています。
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メルセデス・ベンツとモンクレールとのコラボモデル、「プロジェクト・モンドG」はこんなクルマ
このプロジェクト・モンドGは、モンクレールのダウンジャケットのデザインを随所に取り込んでおり、とくに「ダウンジャケット風」のタイヤはそのハイライト。
このほかルーフにも同様の意匠が取り込まれています。
なお、後部から見ると「巨大なジッパー」も(これは想定外だった)。
ボディカラーはマットブラック、そして摩擦等によってその下からカッパーっぽいカラーが覗いており、これは「高級品でありながらも、ダウンジャケットのように使い込むこと」、そして機能的な製品であることを前提としたのだそう。
メルセデス・ベンツのチーフデザイナー、ゴードン・ワグナー氏によれば、「我々のデザイン哲学であるセンシュアル・ピュアリティ(官能的純粋)に基づき、このアートピースは、宇宙船の光沢素材と使い込まれたパティーヌの風合い、Gクラスの強いジオメトリとモンクレールのパッファージャケットの有機的なフォルムという、極めて対照的な形態と表面を組み合わせています。過次元で誇張されたフォルムとデザイン言語を持つため、新しい衝動とトレンドを設定するための芸術です」。
興味深いことに、このプロジェクト・モンドGは通常のGクラスよりもわずかに短く、全長は4,580ミリ、しかし膨らんだホイールのおかげで、幅は3,380ミリ、高さは2,950ミリというサイズにまで拡大しています。
なお、このプロジェクト・モンドGの発表会はモンクレールによって主催されており、アリシア・キーズ、ファレル・ウィリアムス、アディダス オリジナルス、FRGMT、サレヘ・ベンベリー、パームエンジェル、ロックネイション by ジェイ・Zといったブランドやアーティストによって紹介され、メルセデス・ベンツにとってもその認知機会を最大限に高める機会となったのかもしれません。※メルセデス・ベンツは過去にアリシア・キーズをプロモーションに起用したことがある
メルセデス・ベンツ・グループAG取締役会メンバー、マーケティング&セールス部門担当、ブリッタ・ゼーガー氏は「モンクレール とのコラボレーションにより、新たな”X-ファクター”ブランド誕生の瞬間を創り出すことができ、大変嬉しく思っています。メルセデス・ベンツでは、文化や社会との関わりを大切にしています。モンクレールとの共同制作は、両ブランドにおける予想外の体験を提供します。このモンクレールとのデビューコラボレーションは、新たな可能性を開くもので、近々、さらなるニュースがもたらされるでしょう」とコメントしており、このプロジェクト・モンドGが市販されることはないにせよ、両者の今後のコラボレーションを示唆することに。
プロジェクト・モンドGは「異なる要素」を組み合わせる
このプロジェクト・モンドGは、Gクラスの角ばったデザインと、モンクレールの持つキルティングテキスタイルのソフトで流れるようなラインが見事なコントラストを生み出した芸術作品だと考えてよいかと思いますが、相反するものを融合させることでひとつのオブジェが誕生しており、「これまで純粋な実用品であったものが、デザイン優先のプロダクト」へと変貌を遂げたということも非常に重要な意味を持っています。
そしてこの「メタリックな」ホイールもまたマットブラックの車体とのコントラストを生み出していて、その存在、形状、素材など様々な要素において「異なるファクターを組み合わせた」作品ということになりそうですね。
1979年に誕生したメルセデス・ベンツGクラスのルーツは、厳しい地形や風土をものともせずに走り抜けることにありますが、このGクラスによって未知の領域へと踏み込むことに。
その後はプロフェッショナルユースのみではなく一般への普及が進み、レジャーを重視したオフロード性能の高い移動手段として認知され、その後の継続的な進化によって「永続的な成功の鍵」そして独自のアイコンとして機能するまでに成長しています。
なお、見ての通り現実世界での走行は「まず無理」だと思われ、しかしイベントにおいては「低重力の想像上の宇宙」という設定にて、モンクレールのコレクションアイテムとともに発表がなされ、モンクレールのアパレルもまたコンセプチュアルでアーティスティックなデザインを持っています。
今回、メルセデス・ベンツのパートナーとなるモンクレールは、1952年にフランス・グルノーブルのモネスティエ・ド・クレルモンで創業し、現在はイタリアに本社を構えていますが、長年にわたり山岳に関連する活動の専門家の支援を受けながら、高いデザイン性と絶え間ない技術的進歩を組み合わせていることが特徴。
今回のコラボレーションによってメルセデス・ベンツ、モンクレールが新たな一歩を踏み出したということになりますが、メルセデス・ベンツは故ヴァージル・アブローとのコラボレーションのほか、ファッション分野に対して強い興味を示しており、今後のモンクレールとコラボ展開、そして新たなるファッションブランドとのコラボレーションに期待したいところですね。
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