| ランボルギーニは「限られた」制約の中で最大限にランボルギーニらしいデザインを行ってきた |
前後の「Y」ランプ、ヘキサゴンなどランボルギーニらしいディティールを装備
さて、ランボルギーニがグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにてお披露目することになる”ル・マン・ハイパーカー”のティーザー動画を自身のツイッターやインスタグラムなどのSNS上にて一挙公開。
これまでは横方向の「Y字」をモチーフにしたフロントしか明かされていなかったものの、今回の動画では(ランボルギーニのモータースポーツ部門であるスクアドラコルセの)イメージカラーであるグリーンを身にまとうボディ、そしてシャークフィンやリアウイング、さらにはヘッドライトと呼応したデザインを持つテールランプといった要素が判明しています。
The time has come to turn the spotlight on the prototype that will ignite emotions at the @fosgoodwood.
— Lamborghini (@Lamborghini) July 12, 2023
Tomorrow, 10:30 AM CEST.#Lamborghini pic.twitter.com/6T0cUwpxRp
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しかし発表直前にランボルギーニのル・マン・ハイパーカーがリーク
ただし、ほぼ時を同じくしてこのランボルギーニのル・マン・ハイパーカーの画像がリークされており、画像からは「ほぼ」その全容が明らかに。
なお、このハイパーカーはランボルギーニにとって「初」のル・マン24時間レース参戦用レーシングカーで、2024年からル・マンにあわせてFIA世界耐久選手権とIMSAハイパーカー/GTPクラスに参戦する予定です。
そしてこのランボルギーニによるハイパーカーは、「FIA世界耐久選手権」と「IMSAハイパーカー/GTPクラス」の両方に参戦するためにLMDh規定に準拠していますが、これによって特定のサプライヤー4つ(オレカ、リジェ、ダラーラ、マルチマチック)の中から使用するシャシーを選ばなくてはならなくなり、ランボルギーニがパートナーとして選んだのは(おどろくべきことにダラーラではなく)リジェ。
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このLMDh規定を利用するメリットは「欧州(FIA世界耐久選手権)」と「北米(IMSAハイパーカー/GTPクラス)」という2つの大陸で行われるレースに同じ車両で参戦できることで、加えて既存シャシーを使用するためローコストでの参戦が可能となります。
つまりは、本来は別々のレギュレーションを持ち、乗り入れがなかったため、今までは「FIA世界耐久選手権専用」「IMSAハイパーカー/GTPクラス専用」のレーシングカーはそれぞれ別のモノであり、「欧州でしか戦えない(欧州にしか宣伝効果が波及しない)」「北米でしか戦えない」ために開発費用を吸収することが難しかったわけですね。
ただ、LMDh規定の導入によって「両方」で戦えるようになったことで、自動車メーカーとしては、欧州市場と北米市場という大きな市場両方にてその存在感をアピールできるようになるため、多くの自動車メーカーがこのLMDh規定を使用してル・マンへの参戦を図っています。
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しかしながら、上述のとおり、このLMDh規定にはシャシーの構造的制約があり、さらにはボッシュ製の67HPを発生するエレクトリックモーター、そしてウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが提供するハイブリッドシステム(リアアクスルに取り付け)を搭載する必要があるなどパワートレーン面での制約も受け、逆に自由なのは「ガソリンエンジンとボディ形状」。
ただしボディ形状もシャシーにある程度依存するので完全に自由というわけには行かず、各メーカーとしての個性を最大限に発揮することは難しい、というのが実情です。
今回リークされた画像を見るに、ランボルギーニはそういった制約の中でも最大限の効果を求めてデザインを行ったと考えてよく、ほかのライバルたちの多くが丸みのあるデザインを採用する中で「シャープでエッジーな」ボディ形状を取り入れており、ランボルギーニが好んで用いる「Y」「ヘキサゴン」といった要素も見られます。
現時点ではスペックにつき限定的な情報しかなく、搭載されるエンジンは680馬力を発生するV8ツインターボということくらいしかわかりませんが、このエンジンはスクアドラ・コルセ初のレース専用エンジンであり、そしてやはりV8ツインターボを積むと言われるウラカン後継モデルにもそのノウハウが共有されることになるのかもしれません。
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参照:Lamborghini(Twitter), The Supercar Blog