| レクサスの評価が高いことは認識していたが、ダイハツの評価がここまで高いとは |
一般的に「高価なクルマほど期待値が高くクレームが出やすい」と言われるが
さて、JDパワー・ジャパンが日本にて販売されている自動車ブランド(国産・輸入車含む)について自動車初期品質調査(Initial Quality Study=IQS)を行いその結果を発表。
これは1年に1回行われるもので今年で13回目を迎え、対象となるのは14ブランド(購入から2ヶ月〜14ヶ月が経過)、有効回答数は21,647件、調査方法はインターネットにて。
スコアの表示は「100台あたり何件の不具合の指摘があったか」を集計したもので、たとえば「131」だと100台あたり131件の不具合があったということを意味します(もちろんスコアは小さい方がいい)。
品質に優れるのはプレミアムブランドではレクサス、普及価格帯ではダイハツとホンダ
そこで2023年度版の結果を見てみたいと思いますが、プレミアムブランドの第一位は予想通りのレクサスとなっています。
ほかブランドとの並びはワールドワイドでの結果とほぼ同じであり、そのブランドイメージに比較してメルセデス・ベンツのポジションが低いのも同じです。
自動車初期品質調査(プレミアムブランド)
- レクサス・・・147
- BMW・・・172
- アウディ・・・201
- メルセデス・ベンツ・・・226
そしてこちらは普及価格帯の自動車初期品質調査ランキングで、ダイハツとホンダが同率1位となっており、ホンダが1位を獲得するのは2020年以来なのだそう。
ワールドワイドだとトヨタやマツダのポジションがもう少し高いのですが、ミニとフォルクスワーゲンの位置が低いこと、そしてフォルクスワーゲンの数値がブッチギリでよろしくないことは世界規模での調査結果と同じですね。
自動車初期品質調査(普及価格帯)
- ダイハツ・・・131
- ホンダ・・・131
- スズキ・・・136
- スバル・・・146
- 日産・・・158
- トヨタ・・158
- 三菱・・・172
- マツダ・・・175
- ミニ・・・188
- フォルクスワーゲン・・・273
自動車初期品質調査からは全体的にはこういった傾向が明らかになっている
自動車初期品質調査については9カテゴリーに分けて行われ、今回最も数値が低かったのが「インフォテイメントシステム」。※9つのカテゴリとは、「外装」「走行性能」「装備品/コントロール/ディスプレイ(FCD)」「運転支援」「インフォテインメント」「シート」「空調」「内装」「パワートレイン」
これは前年比で4.4ポイント悪化しており、その内容を見ると「音声操作における認識に問題がある」「誤った認識を行う」「カーナビゲーションが使いにくい」「操作が複雑でわかりにくい」といったものも。
この問題についてはクルマの機能が複雑化するにつれて世界規模でクローズアップされることとなっていますが、現代の自動車業界の傾向を見るに、この問題は今後もどんどん加速するのかもしれません。
そのほかだとオートハイビーム機能が使いづらかったり、OFFにしたいと思ってもその方法がわからなかったりという問題も増加傾向にあり、これは自動車メーカーが「良かれ」と思って標準装備化したものの、消費者にとっては「こんなものいらない」という機能であったのかもしれません。
一方、車線逸脱警報やレーンキープアシストの不具合やわずらわしい警告についての指摘は減少傾向にあり、これらは導入から年月が経過するにつれ「消費者の意に沿うように」「使いやすく」改良されているということになりそうです。
なお、販売が増加しつつあるEVについては「航続距離が短い」という指摘が多い一方、充電エクスペリエンスに関する問題の指摘は多くはないという結果が出ていて、充電については”意外や”全般に満足しているようですね。
もっとも問題の指摘が少なかった車種は?
そしてこちらはもっとも問題の指摘が少なかった、つまりスコアが小さかった車種(セグメント別)です。
- 軽セダン・・・ダイハツ・ミライース
- 軽ハイトワゴン・・・ホンダ N-WGN、スズキ ワゴンR(同率)
- 軽スーパーハイトワゴン・・・スズキ ワゴンRスマイル
- コンパクトカー・・・トヨタ・パッソ
- コンパクトSUV・・・ダイハツ・ロッキー
- ミッドサイズカー・・・スバル・インプレッサ
- ミッドサイズSUV・・・トヨタ・ハリアー
- コンパクトミニバン・・・ホンダ・フリード
- ミニバン・・・トヨタ・ヴォクシー
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参照:JD Power