■そのほか自動車関連/ネタなど ■自動車各社業績/ランキング/記録等

8月の欧州自動車市場は20%増、その中でもEVは102%増。1-2はテスラが占めるも中国資本となったMGの販売が伸び、MGは欧州で販売された中国車の69%を占める

2023/10/04

8月の欧州自動車市場は20%増、その中でもEVは102%増。1-2はテスラが占めるも中国資本となったMGの販売が伸び、MGは欧州で販売された中国車の69%を占める

| 欧州の人々はまだまだ中国ブランドを敬遠する傾向があり、たとえ中国製であっても馴染みのある”かつての欧州ブランド”を好むようだ |

そのため、中国ブランドは欧州を侵略するために欧州ブランドを買収する意欲を見せているという報道も

さて、2023年8月における欧州新車市場は前年同月比20%増の90万台となっていますが、このうち約19万6,000台がバッテリー電気自動車(BEV)であり、2022年8月と比較して102%増加した、との報道(一方でガソリン車の販売台数も11%増加している)。

統計によれば、バッテリー電気自動車の需要は、欧州の特定の市場で大幅に急増しており、ベルギーでは224%、ギリシャでは183%、ルクセンブルクでは164%、ポルトガルでは164%の大幅増となっていて、そんな中でも電気自動車はドイツで特に人気があり、登録台数が171%増加した結果、ドイツのみでBEV需要の44%を占めるに至った、とのこと。

欧州で最も売れているEVは?

そこで気になるのが「どういった車種が売れているのか」ということですが、テスラ・モデルYとテスラ・モデル3が依然として欧州で最も売れているEVであり、2023年8月にはモデルYが21,549台、モデル3が11,943台登録され、それぞれ208%と307%の伸びを示すことに。

3番目に需要の高いEVはVW ID.4で9,135台(61%増)、ID.3で6,835台(86%増)。

ただ、奇妙なことに、これだけの増加を見せながらもVWは「需要が低いために工場を一時休止する」とも発表しており、現在の販売台数は(成長を見せているものの)まったく予期したレベルには届いていないのかもしれません。

やっぱりソフトなデザインは人気がなかったのか・・・。VW ID.3がシャープでダイナミックな姿にフェイスリフトされ新登場、一気にイメチェンを図る

ちなみに下は2023年8月にもっとも欧州で売れたEVのランキング。

VWがEV需要低迷につき再び工場を一時閉鎖。EVに関する計画は大幅に狂いが生じ、修正計画にて挽回を図る
VWがEV需要低迷につき再び工場を一時閉鎖。EVに関する計画は大幅に狂いが生じ、修正計画にて挽回を図る

| フォルクスワーゲンはもちろん、ほか多くの自動車メーカーにとっても「計算外の要素」にて大幅に計画の狂いが生じることに | ただし「流れ」はどんどん既存自動車メーカーにとって不利な方向へと進み、修正は ...

続きを見る

2023年8月、欧州で最も売れたEV

  1. テスラ・モデルY・・・21,549台(+208%)
  2. テスラ・モデル3・・・11,943台(+307%)
  3. VW ID.4・・・9,135台(+61%)
  4. VW ID.3・・・6,835台(+86%)
  5. シュコダ・エニヤック・・・6,599台(+45%)
  6. MG4・・・6,302台(ニューモデル)
  7. ダチア・スプリング・・・5,799台(+57%)
  8. フィアット500・・・5,735台(+43%)
  9. クプラ・ボーン・・・5,203台(+81%)
  10. BMW iX1・・・4,693台(ニューモデル)

そのうち「欧州の売れ筋ランキング」が中国製EVで占められることに

このランキングを見るに、テスラが1-2を独占しているだけではなく「伸び率」も非常に高いことがわかり、やはり”テスラ強し”ということがわかります。

ただ、モデルYを除くと、その他で「すば抜けて強い」モデルは見当たらず、この順位は値下げやキャンペーン等によって容易に動く可能性も。

そしておそらくは、中国資本となった「MG」が今後大きく販売を伸ばすものと思われ(欧州の人々は、生産地に関わらず、MGを欧州のブランドだと認識している)、このリストが中国製EVで占められる時代がそう遠くない未来にやってくる可能性もありそうですね。※テスラ・モデルY、モデル3の多くの割合も中国製である

NIO
中国のEVは言うほど欧州で売れてない?欧州の人々は中国製品に否定的、もし中国の自動車メーカーが欧州で販売を伸ばすならば「MG」のように欧州メーカーの買収が必要

| 欧州の自動車市場が中国車で埋め尽くされるかのような報道もあるが、違う見方もあるようだ | おそらくは今後、中国の自動車メーカーが欧州自動車メーカーを買収するのは「あり得る」シナリオだと思う さて、 ...

続きを見る

実際のところ、JATOダイナミクスにてグローバルアナリストを務めるフェリペ・ムノス氏によれば「テスラ・モデルYは、年内に欧州で最も人気のある新型乗用車になる可能性が高い。非欧州モデルが欧州をリードすることは、注目に値する歴史的な瞬間となるだろう」とコメント。

そしてMGもについても8月には欧州での「販売トップ20ブランド」に入り、ジープ、マツダ、ミニ、スズキを上回ることに。

さらにEVに限ってだと、MGはアウディ、オペル/ボクスホール、プジョー、ルノー、シュコダを上回っていて、MGは欧州で販売された中国車の69%を占め、販売台数は197,800台にも達しています。

ただ、(パワートレーンにかかわらず)欧州の自動車市場全体を見るとフォルクスワーゲンが引き続きリードしていることが明白となっており、8月の総販売台数は99,266台(2022年8月から10%増加)。

次いでトヨタが59,132台、BMWが52,334台、アウディが51,132台、シュコダが49,996台、メルセデス・ベンツが48,511台、プジョーが41,869台、ルノーが40,822台、キア(起亜)が40,712台、ヒョンデが38,925台と続きます。

合わせて読みたい、関連投稿

トヨタ
「世界の自動車メーカーEV移行度」ランキング公開!「先行」「移行」「停滞」の3グループに分けられ、先行はテスラとBYDのみ、日本勢はすべて「停滞」という惨憺たる結果に

| 日本の自動車メーカーは、日本市場特有の「ガラパゴス化」により、他メーカーとのEVシフトに対する認識に差が出たのかも | いずれにせよ、現状を正しく認識し、ここからの盛り返しに期待したい さて、米T ...

続きを見る

BYDは水面下で世界制覇を目論んでいる。欧米よりも東南アジアの支配に注力し現地大手販売店とタイアップすることで販売を伸長。現地ではEVの1/4がBYD
BYDは水面下で世界制覇を目論んでいる。欧米よりも東南アジアの支配に注力し現地大手販売店とタイアップすることで販売を伸長。現地ではEVの1/4がBYD

| BYDはその販売手法もなかなかにスマートであり、その国や地域にマッチした戦略を採用している | 気がつけば東南アジアにおけるBYDの支配力が強くなっていそうだ さて、中国国内で大きく勢力を伸ばして ...

続きを見る

欧州における中国製EVの販売は1-7月で前年比112%増、2021年比では361%増。EUが「中国製EVは政府の奨励金によって欧州製よりも20%安価に製造できる」と指摘
欧州における中国製EVの販売は1-7月で前年比112%増、2021年比では361%増。EUが「中国製EVは政府の奨励金によって欧州製よりも20%安価に製造できる」と指摘

| 現時点では、欧州製EVは中国製EVに対し、コストパフォーマンスでは太刀打ちできない | EUが中国製EVに関税を課すかどうかを決定するのに要するには13ヶ月、それまでに耐えられない欧州自動車メーカ ...

続きを見る

参照:JATO

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Cirqua_Recommend / 1845256

-■そのほか自動車関連/ネタなど, ■自動車各社業績/ランキング/記録等
-, , , , , , ,