なぜボクはクルマの試乗をするのか
本ブログのひとつの特徴でもある試乗レポート。
試乗した車の一覧については「試乗」カテゴリにまとめていますが、ここで「なぜ試乗するのか」について記載してみたいと思います。
ぼくは自動車の運転も好きですが、自動車のメカニズムや、その自動車メーカーの考え方にも強い興味を持っています。
そして、それを知るにはその車に乗ってみるのが一番手っ取り早い、とも考えているわけですね。
自動車は航空機や船舶を除くと、一般的に個人が購入できる「もっとも多くの、そして最先端の技術や考え方、素材」が詰まった製品かもしれません。
物理学や航空力学、電子工学はもちろん、素材だとカーボンファイバーや複合素材(あるいはレザーなどの高級素材)、そして販売に際してはマーケティング、ブランディングなど「およそ考えうる限りの」要素がクルマには詰まっているのだとぼくは考えていて、そういった「複合的な技術や素材、考え方の集合体」としてクルマを認識している、ということです。
そしてそれぞれのクルマはそれぞれ作られた目的が異なっていて、それを理解するのが試乗だと捉えているのですね。
同じスポーツカーでもホンダS660とフェラーリ296GTBではターゲットも目的も違いますし、そういったクルマを「バックグラウンドを理解しないまま」語ることはできない、とも考えています。
軽自動車には軽自動車の役割と意義があり、ハイエンドスポーツにはハイエンドスポーツカーとしての役割と意義がある、ということです。※ハイエンドスポーツカーであっても、フェラーリとランボルギーニはまた全然異なるクルマである
スポーツカーにはスポーツカーの、ミニバンにはミニバンそれぞれの存在意義がある。同じ目線では語れない
さらに言及するならば、ミニバンにはミニバンの、SUVにはSUVの、そしてセダンにはセダンの存在意義があります。
そのため、どのような車に対しても「足回りが」「加速が」「ブレーキが」と(モータージャーナリストのように)同じ論点からレビューを行うことはしたくなく、ぼくは「それぞれのメーカーや車の持つ背景」を理解した上で試乗し、「なぜこういった仕様なのか」「なぜこういったデザインなのか」「なぜこの素材なのか」ということを考えてみたい、と思うのですね。
ミニバンに乗ってスポーツ性を語るのはナンセンスで、スポーツカーに積載性能を求めるのもまたナンセンスであり(ごく稀に両立している驚異的な存在もありますが)、よってぼくはそのクルマが設計された背景や意図、さらには商業的背景や戦略、技術者の考え方、価格帯、開発に際して受けたであろう様々な制約、そしてその中でなんとか最良のものを作ろうとした人たちの考え方を汲み取るのがこの「試乗」であると考えています。
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