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テスラ・サイバーキャブの構成パーツは「モデル3の半分」。エンジニア自ら「いかにコストを削減したか」を語り、テスラの考え方を示す動画を公開

テスラ・サイバーキャブの構成パーツは「モデル3の半分」。エンジニア自ら「いかにコストを削減したか」を語り、テスラの考え方を示す動画を公開

Image:Tesla

| テスラはシンプルな目的へと「もっとも確実な方法で、もっとも速く、もっとも効率的に」突き進む会社である |

ここまで割り切った会社は他に存在しないであろう

さて、テスラは自らエンジニアリングについて語ることは多くはなく、しかし今回「サイバーキャブ(ロボタクシー)」のリード・エンジニアが”テスラがどのようにコストを削減し、その後もコストと効率を維持する計画なのか”について詳しく語る動画がソーシャルメディア上にて公開されることに。

このサイバーキャブにつき、シートが2つ、そしてステアリングホイールやペダルがないということがわかっていて、これによってロボタクシーが軽量化され、生産コストが抑えられることについては理解ができますが、実際の設計はそれ以上に奥が深く、よりスマートです。

テスラのエンジニアはどのようにしてその生産コストを引き下げたのか

テスラのエンジニア(この記事の下に埋め込まれたビデオで語っている)によると、このサイバーキャブのパーツ点数は(テスラの最も安価な車種である)モデル3のおよそ半分になるといいい、別の指標として「ボディ構造はモデルYより60%少ない部品で構成される」。

これは非常に重要な部分であり、部品点数が少ないということはサプライヤーからの仕入れ総額が減り、また生産時間が大幅に短縮され、車体が軽量になるうえリスクも減少するということに(修理も容易)。

工業製品の生産において「時は金なり、エネルギーなり」とはよく言われることではありますが、複雑さが少ない(簡素化される)ということは、製造とテスト工程に必要なライン作業員の数が少なくて済むことを意味し、さらには工作機械の数も少なく、さらにそれら機械の摩耗や損傷も少なくなり、メンテナンスコストも引き下げられます。

さらにいえばパーツ保管や輸送のためにコストも減少し、「1台あたり」の組み立てにかかる必要なスペースも小さくなるので、「あらゆる面においてメリットしかない」わけですね。

テスラは自動車での移動において、ほとんどのケースで1人か2人しか乗らないというデータに基づいて”座席が2つ”しかないことを正当化していますが、これには軽量化や荷室スペースの拡大にとどまらない利点があるもよう。

テスラのリード・エンジニアによると、後部座席のヘッドルームを気にする必要がないため、電力効率を高めるために車体をより空力的にすることができるといいます。

そしてこのバタフライドアは乗降時の実現性を高めるとともに「ドアインナーのポケットを排除することで」コスト削減を実現しているそうですが、つまりは「なんら関係のなさそうな要素を結びつけることで」パーツや構造を最適化しているということに。

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Image:TESLA

さらにエアロダイナミックなボディ形状とは裏腹に、ロボタクシーはフルサイズのスーツケース2個とフルサイズの受託手荷物2個を一度に積めるとし、あるいは(エンジニアも指摘しているように)ゴルフバッグ数個も積載可能。

以下の動画にてテスラのエンジニアが示す内容を見るに、テスラは目的を明確化し、かつそれを実現するために極めてシンプルな手法を採用し、不要なものを一切排除しているということがわかりますが、その考え方はテスラという会社の運営方針そのものであるとも考えられ、その意味では「サイバーキャブはテスラという会社をもっとも端的に表す」製品なのかもしれませんね。

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