
Image:Xiaomi
| シャオミ SU7は何かと「注目の的」ではあるが |
注目を集めすぎる反面、何をしても批判の対象となってしまう
スマホメーカーとして知られるXiaomi(シャオミ)が満を持して参入したEV市場。
そのフラッグシップモデル「SU7 ウルトラ」は「1,548馬力」というとんでもない出力にて注目を集めていますが、オプションで選べるカーボンファイバーフード(42,000元、現在の為替レートだと85万円くらい)が現在、激しい批判を浴びています。
その理由は単純で「エアダクトが機能していない」から。
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▶ 見た目はレーシー、でも中身はただの飾り?
このカーボンフードは、ニュルブルクリンクなどのテスト走行に使用されたプロトタイプ車両の外観を再現するために導入されたもので、シャオミの創業者・雷軍(Lei Jun)氏が年越しライブ配信で発表し、当初は大きな反響と称賛を受けていたオプションでもあり、シャオミは「1.3kgの軽量化(しかし意外と軽くない)」「2つのエアチャンネルにて冷却・空力性能を向上」とアピールしていたわけですね。
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▶ 実際に届いたクルマでユーザーが検証 → 風、通らない
ところが、最初にこのフードを注文したオーナーたちがブロワー(送風機)などで通気性能をテストしたところ、「風が通らない」「通気口はダミー」であることが判明。
一部オーナーがフード裏側の構造を調査した画像では、通常のフードと内部構造がほぼ同じで、エアフローを導くような設計にはなっていないことが明らかになっているほか、SU7 ウルトラのフロント内部はそもそもインバーター類で占められており「風が通る隙間がない」ことも判明しています。※「元」は「円」と同じ「¥」マークで表記される
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▶ フェラーリやポルシェとの“決定的な差”
高性能車において、ボンネット(フロントフード)上のエアダクトは冷却性能やダウンフォースの向上に直結する重要な機能であり、これは「見た目」でなく実用的な理由で存在していますが、フェラーリだと「Sダクト」としてよく知られています。
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ところがSU7 ウルトラのこのオプションは”機能性を期待して購入したユーザー”にとっては“裏切り”意外の何者でもなく、シャオミにとってはこのオプションの追加が「アダ」となってしまったわけですね。
EV市場への新規参入メーカーにとって、こうした“イメージ先行”のデザイン戦略は一種のリスクがつきまとい、特にパフォーマンスセグメントでは、(ダミーのダクトや機能しないディフューザーなど)形だけの装備はむしろ信頼を損なう結果につながりかねません。
今回の件は、シャオミにとって「魅せるデザイン」と「実際の機能性」をどう両立するかという今後の課題を示した例だと言ってよく、今後のオプション展開については再考せざるを得なくなる可能性も。
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ちなみにシャオミはこのほかにもカーボンファイバー製オプションを追加設定しており、カーボンルーフや・・・。
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カーボン製ドアミラーにサイドステップ、そして・・・。
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リアウイングも。
ルーフやミラーについては「もともと空力効果を期待する製品」ではないものの、このリアウイングがもし「ダウンフォースを発生しない(見た目から判断するにちゃんと機能しそうではある)」となるとこれまた炎上するのかもしれません。
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✔ まとめ:約85万円の“飾りフード”、買う価値はあるのか?
- ✅ 軽量化はされているが、エアダクトは実質的に機能せず
- ✅ 見た目重視なら満足だが、性能向上は期待できない
- ✅ 高額なオプションとしては“納得感に欠ける”との声が多数
「見た目は走りそうだけど、中身は空っぽ?」
新規メーカーが高性能車の信頼を得るには、“リアル”な性能が何よりも大事であり、シャオミがこの経験からどう学ぶかが、今後の成長を左右しそうです。
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参照:Xiaomi