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| ポルシェ・ルクセンブルクが75周年、特別な911 GT3を発表 |
ルクセンブルクは世界有数の「裕福な国」である
ポルシェの正規ディーラー、「ポルシェ・ルクセンブルク」が75周年を記念して、唯一無二の911 GT3を発表。
この911 GT3はポルシェのパーソライゼーション部門である「ソンダーヴンシュ」によって製作され、ボディ内外装にライオンのグラフィック、国歌の刺繍などが施され、最高峰のクラフトマンシップが光る1台となっています。
ルクセンブルク(正式名称は「ルクセンブルク大公国」)は、西ヨーロッパに位置する、ベルギー、フランス、ドイツと国境を接する小さな内陸国ですが、一人当たりGDP、賃金は世界最高水準、そして「一人あたりのミシュランの星の数」は世界最高。
そういった国を象徴するクルマとして今回の911 GT3が製作されており、「ルクセンブルクの名にふさわしい」一台となっています。
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手作業で描かれた「ルクセンブルクの赤いライオン」
そしてこの「ポルシェ・ルクセンブルク」はポルシェの初期インポーターのひとつであり、活動を開始したのは1950年。
今年には設立75周年を迎え、これを記念してポルシェそしてルクセンブルク人アーティストのジャック・シュナイダーとのコラボによって「世界に1台だけの特別な911 GT3 ツーリングパッケージ」が製作されたというわけですね。
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この特別仕様車「911 GT3 レッツェブール・レガシー」には、ルクセンブルクの国章に使われる「赤いライオン」のグラフィックがボンネット、ドア、ルーフなど車体全体に手描きにて施されており、これにかかったのは「700時間」。
ベースカラーは「アイスグレーメタリック」、ライオングラフィックは「ファイアレッド」で描かれており、これらはそのまま国旗の配色へのオマージュとなっています。
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さらにホイールにも「Vive(ルクセンブルク万歳)」の文字がレーザーで刻まれ、アンダーボディにも大きな「Vive」の文字が見られるなど、いたるところで「特別さ」がアピールされることに。
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この「特別仕様」911 GT3の内装にも国家と誇りが刻まれる
内装に目を移すと、ルーフライナーにはルクセンブルクの国歌冒頭が国土の輪郭とともに刺繍されており、その筆跡はアーティスト本人の手書きを忠実に再現。
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シートやドアパネルには透明インクで重ねられた“ライオンのパターン”があしらわれ、クラシックで控えめながら芸術的な空気を醸し出しています。
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また、ドアシルプレートには「Porsche Lëtzebuerg」の文字がシュナイダーの筆跡で再現され(発光する)、アルミ製アクセルペダルには初採用となる「ファイアレッド」カラーが施されています(今後、ペダルにカラーリングを施す例が増えてくるのかもしれない)。
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さらにはキーまでもが「ライオン柄」。※アームレストにも細かい柄が入る
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ベースは510馬力の911 GT3 ツーリングパッケージ
この特別仕様車のベースは、4.0リッター自然吸気フラット6を搭載し510馬力を誇る911 GT3 ツーリングパッケージ。
固定式リアウイングを持たない控えめなスタイルが特徴で、伸縮式リアスポイラーにガーニーフラップを装備していますが、「ウイングつき」「GT3 RS」ではないところがなんともルクセンブルクらしいといった感じですね。
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芸術とクラフツマンシップの融合──ジャック・シュナイダーの哲学
アーティストのジャック・シュナイダー(1985年生)は、数学者と写真家を両親に持ち、独学で芸術を学んだ人物だと紹介されており、写真とインク、絵具を重ね合わせたアート作品で知られ、2022年にはナッサウ騎士団勲章も授与された「錚々たる人物」。
彼はこのプロジェクトについて次のように語っています。
「このGT3には、私のサインがあらゆる場所に刻まれています。ライオングラフィック、詩、筆跡、すべてが私のルーツと誇りを表現しています」
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「自分だけの911」を作るなら──ポルシェ・ソンダーヴンシュとは?
「Sonderwunsch(特別な願い)」は、ポルシェが1970年代から展開してきた完全オーダーメイド・プログラム。
顧客の希望に応じて新車のパーソナライズだけでなく、旧車のレストアやフルカスタムにも対応し、ボディカラーはもちろん、内装や素材に至るまで、さらにはボディ形状すらも変更して「世界に一台だけのポルシェ」を創り上げることが可能です。
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