
| テスラ中国、6月は前年比0.8%増の71,599台を出荷
8カ月連続の減少に終止符──ようやく前年超えを達成
さて、先ごろ「冴えない」2025年第2四半期の決算を発表したばかりのテスラですが、中国市場においては復調の兆しが見られ、テスラ中国が6月に71,599台の車両を出荷したことが明らかに(CPCA調べ)。
これは前月比16.1%増、そして前年同月比では0.8%増となり、実に8カ月ぶりの前年超えという記録です。
これまでテスラは、2024年10月から2025年5月まで前年割れが続いており、今回の増加は一定の回復傾向を示す指標だと捉えてもいいのかもしれません。
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ただし2025年上半期は14.6%減、厳しい状況は続く
前年同月比でのプラス成長は2024年9月以来初のことで、CPCA(中国乗用車協会)が発表するこの「出荷台数」は、上海ギガファクトリーから出荷された合計台数であり、国内販売+輸出を合算した数値です。※上海工場では、モデル3セダンとモデルY SUVの2モデルのみを生産している
とはいえ、2025年1~6月の上半期累計出荷台数は364,474台にとどまり、前年同期(426,623台)から14.6%の減少。
特にテスラの販売を支えているモデルYの落ち込みが顕著であり、今後の施策が問われる局面です。
モデルYの販売低迷、1~5月で前年比24%減に
テスラの2025年1~5月における中国国内販売は201,926台で、前年同期比では7.8%減、そのうちモデルYの販売は前年比24%減と厳しい結果に。
モデルYは2024年に中国で最も売れたクルマ(48万台以上)であり、全体の75%を占める主力モデルだけに、その落ち込みは深刻です。
なお、この落ち込みの理由のひとつには「フェイスリフトを行うために一時的に工場での生産を休止していた」ことも報じられていますが、実際に「中国市場に好まれるよう」スタイリングを変更したにもかかわらず、新しいモデルYの反響は「イマイチ」。
テスラ、モデル3とYに性能改善と価格調整を実施
こうした状況を受け、テスラは6月末にモデル3ロングレンジAWDの価格を10,000元(約14万円)引き上げる一方、航続距離を40km延長(CLTC)、0-100km/h加速を3.8秒に短縮するアップデートを実施。
また、モデルY AWDにも31kmの航続距離延長(750km CLTC)という改良が施され、一方で価格は据え置かれています。
Xiaomi「YU7」がモデルYの販売に与える影響とは?
ただ、今後テスラ・モデルYにとって大きな脅威となりそうなのが6月26日にXiaomi(シャオミ)が発表した新型SUV「YU7」。
これはわずか18時間で24万件のロックイン(確定)注文を獲得し、価格もモデルYより安価なため、今後下半期のモデルYの販売に大きな影響を与える可能性が指摘されています。
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実際のところ、シャオミが3月28日に発売した初のEV「SU7(セダン)」の人気もずっと継続しており、6月には2.5万台以上を納車したと報告されていて、このれがモデル3の販売原則に影響していることは間違いないと見られていますが、今回はYU7(SUV)がモデルYを狙い撃ちするということになり、その急速な勢力拡大がテスラにとって大きな脅威となることが指摘されています。
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参照:CarNewsChina