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ポルシェのレストモッドに新たな選択、「912T」登場。ハンガリーのKammが車体重量わずか860kg台のシンプルなレストモッドを提案、価格は約4,200万円から

ポルシェのレストモッドに新たな選択、「912T」登場。ハンガリーのKammが車体重量わずか860kg台のシンプルなレストモッドを提案、価格は約4,200万円から

Image:Kamm

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「912」はポルシェ911の廉価版として登場したという経緯を持っている

ポルシェの歴史において、912はやや影の薄い存在かもしれません。

しかし、911の高価格化に懸念を抱いたポルシェが、356のフラット4エンジンを911のボディに搭載して“エントリーモデル”として発売したという重要な背景を持っているのがこの「912」。

そしてこの「912」に情熱を注ぐのが、ハンガリーのレストモッドビルダー、Kamm(カム)ですが、彼らはこれまでも912のモダナイズを手掛けてきたものの、今回はより公道向けに仕立てた「Kamm 912T」を発表することに。

ポルシェ911ではなく「912」ベース。ただ単に「運転する楽しさ」を追求し車体重量800kg未満のレストモッド「Kamm 912c タルガ」登場
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912Tの“T”は「ツーリング」。“サーキット向け”の912Cとの差別化

Kammのフラッグシップモデルである912Cは、サーキット走行も視野に入れたハードコア仕様に位置づけられ、しかし今回の912Tは「公道での快適性」と「クラシックカーらしいフィーリング」を重視した仕様であると説明されています。

搭載されるのは、オリジナルのタイプ616型フラット4エンジンを大幅にモディファイした2.0リッターユニット(元は1.6L)で、新設計のシリンダーヘッドやピストンを採用し、163馬力/20.4kgmを発生します。

なお、912Cでは187馬力を発揮し、レッドラインも7,200rpmまで引き上げられていたものの、912Tは6,500rpmでややマイルドな味付けということになりますね。

「912Cは究極の912だと自負していますが、“もっとリラックスして楽しめるツーリング仕様は作れないか?”というリクエストを受けて、我々は喜んでこの912Tを開発しました」

Kamm CEO ミクロシュ・カズメール

カーボンパネル採用で軽量化。オリジナルのポルシェ912より100kg以上軽い

Kamm 912Tの最大の特徴は、徹底的な軽量化。

バンパー、フェンダー、ボンネット、エンジンカバーなどにカーボンファイバー製パネルを使用し、重量はわずか860kgに抑えられていますが、これは、オリジナルの912よりも約200kg以上軽い数値です(参考:オリジナルのポルシェ912Tは約1,081kg)。

足まわりには、Tractive製のカスタムサスペンションを採用し、快適性とスポーツ性のバランスを意識した設定を持つほか、ホイールはクラシックな15インチのFuchs風、あるいはレトロなスチール風から選択可能。

ブレーキはBrembo製の4ピストンキャリパー+ベンチレーテッドディスクが前後に装備されています(とんでもなく”よく止まり”そうだ)。

シンプルかつクラシックなインテリア。隠れた近代装備も

インテリアはクラシックなレイアウトを保ちつつ、視認性の高いメーター類、オプションではモダンオーディオシステム(一見してそれとわからないよう、内装の雰囲気に合うようデザインされている)、ワイヤレススマホ充電といった現代的な装備も取り入れることに。

さらにはレトロなスポーツシートを備えるなど、機能のみならず、視覚的にも楽しめる」仕様を持つようですね。

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価格は約4,200万円から。ただし「ドナー車」は自前で用意

この912Tの価格は28万5,000ドル(約4,200万円)〜。

しかしドナー車両(ポルシェ912)を自分で用意する必要あるといい、ここからはさらにベース車両代金として600万円以上を見込む必要が出てきます。

ただ、これだけの金額を投入するだけの価値は十分にあるとも考えられ、Kammは912Tの前にも、サーフボードをルーフに載せたTarga仕様の912Cや、カーボンフルボディ+750kgに仕上げたサーキット仕様などさまざまな派生モデルをリリースしており、いずれも非常に高い評価を得ています。

なかには快適性を完全に無視して699kgにまで軽量化された“ストリップ仕様”も存在し、「オーナーの要望に合わせ」様々な要望を聞いてくれるところもKammの魅力だと言えそうですね。

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参照:Kamm

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