
| 特許画像から浮かび上がる新型ポルシェ911 |
ポルシェがさらに911の特別仕様、あるいは限定モデルを準備していることは間違いない
ポルシェが新たな911のバリエーションを準備しているのではないか――そんな噂が浮上しています。
CARBUZZ報じたところだと、「米国特許商標庁に提出されたデザイン画像には、フロントエンドには911 GT3 RSをも凌ぐほど攻撃的なエアロパーツが描かれている」とのことで、このアグレッシブなエアロパーツを装備した911が「より過激な、RSをも超えるGT3モデル、あるいはターボチャージャーを搭載した後輪駆動の911 GT2 RSではないか」という議論を呼んでいるわけですね。
新デザインの特徴:ウィング、フィン、ダイブプレーン
まず、特許画像から読み取れるポイントは以下の通りで、これらの要素から見ても、従来のGT3 RSやマンタイ・レーシング仕様(下の画像)よりもさらに過激なエアロ設計が施されていることがわかります。
- ダイブプレーン:フロントバンパー両端に2枚ずつ配置され、フロントエンドのダウンフォースを増強
- 垂直フィン:車体側面の気流を整え、高速域での安定性を確保(ダイブプレーンを通過するエアの効率を向上させる意味もあるのかもしれない)
- チンスポイラー:前方のリフトを抑え、吸気や冷却効率を向上させる可能性
- NACAダクト:フロント下部に設置され、乱流を後方へ逃がすことで車体を路面へ押し付ける仕組みか
なお、フロントのダウンフォース強化を図っているところから、このエアロパーツを装着するモデルは「後輪駆動ではないか」ということも推測されています。
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「フラットノーズ(フラッハバウ)」復活の可能性
さらに興味深いのは、(今回の特許とは別に)ポルシェが2025年5月に「Flachbau(フラッハバウ)」および「Flachbau RS」の商標を出願していた点。
フラッハバウは、1980年代の930型911ターボをベースに、レーシングカー935から着想を得たスラントノーズへと変更できるオプションで、あまりに高額であったために当時これをオーダーした人はごく少数にとどまり、そのため現在でもコレクターズアイテムとして高値で取引されているモデルです。
もし現代版フラットノーズが復活するのであれば、以下の仕様が予想され、今回報じられたエアロパーツと相まって「空力特性をさらに向上させる」ことになるのかもしれません。
- 911ターボS由来の3.7リッター水平対向6気筒ツインターボ
- GTSのTハイブリッドシステムを組み合わせ、700馬力以上を発揮
- 限定生産のスペシャルモデルとして展開(価格は4000万超え必至)
なお、現在ポルシェは「販売と利益が下がり続けている」ことからなんらかの対応を迫られており、その対処のひとつが「限定モデルの投入」。
これによって利益を拡大する計画が投資家向けに語られていますが、実際のところポルシェはこれまでにないほど多数の限定車を連発していて、そして「フラットノーズ」は”より高い利益を得ることができる”格好のネタ。
よって、フラットノーズがなんらかの形で復活する可能性は「かなり高い」んじゃないかと見ています。
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次期GT2 RSか、それとも未発表の特別モデルか?
今回の特許デザインが示す911の新バージョンは、GT2 RSやフラットノーズ以外の可能性も残されており、過去の911を見てもわかるように、ポルシェは数多くの特別仕様を投入してきたため、まだ公式に明かされていない「新たなサプライズ」があるのかもしれません。
いずれにせよ、ポルシェ911の次なる進化に世界中のファンが注目していることは間違いなく、その発表を待ちたいところですね。
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参照:CARBUZZ